街中がどこもかしこもひらがなだらけの「ひらがなちょう」と、カタカナでいっぱいの「カタカナマチ」。
ふたつの街の町長さんは、ずーっと張り合ってきました。
「ひらがなちょうこそ、いちばんだ!」
「カタカナマチこそ、ナンバーワン!」
どちらが一番か、そろそろ決着をつけようと、町長さんたちはそれぞれの街を見学することにしたのです。
八百屋さん、魚屋さん、花屋さん。ベーカリー、メガネショップ、ゲームセンター。
あらゆるモノ、コト、暮らす人たちまで(!)、ひらがな、カタカナだらけのそれぞれの街。ひらがなちょうは親しみやすくて元気いっぱい、カタカナマチはさりげなくオシャレでパーフェクト。
初めてお互いの街を歩き、その魅力を感じた町長さんたちは、それぞれ伝えずにはいられませんでした。
「たしかに ステキな マチですね」
「わがまちの つぎに すばらしい」
負けず嫌い、価値観も違うライバル同士の町長さんたち。決着をつけるためとはいえ、まずはお互いの街を見る、知ることから始めたのがよかったみたいです。
さらにそれぞれ街の自慢、イチオシのおいしいものを交換してひと口いただいてみたら……もう!2人ともひらめいちゃいました、ナイスなアイデア!
おはなしを書いたたかはしゆいさんと絵を担当したたかはしのぞみさんは姉妹。この絵本がふたりの初の共同作品となりました。構想から私たちの手元に届くまでの3年間、イラストは何度も練り直しを繰り返してきたのだそうです。
登場する人々やものに描かれた丁寧なしかけ、見返しも含めて、子どもたちは目を凝らして楽しんでくれるんだろうなぁと思います。そしてふたつの街が協力して生み出したすばらしくてステキなあれこれは、眺めているだけで幸せ気分になっちゃいます!
(竹原雅子 絵本ナビライター)
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