丁寧な自然描写が魅力のふくざわゆみこさんの『くぬぎのもりのりすのがっこう』の続編。この学校のクラスメートは、個性豊かな5匹のこりすたち、校長先生は森で一番大きなくぬぎの木です。どんぐりが緑から茶色に変わる頃、校長先生が言いました。
「1つき後、自分の好きな物や得意なことをみんなの前で発表しましょう」
5匹のこりすたちは、それぞれ準備を始めました。
目立ちたがりのぐるりん、調べもの好きなしいちゃん、お絵かき好きなふわさん、食いしん坊のぽんちゃん、恥ずかしがり屋のちぃちゃん。それぞれの「好きな物や得意なこと」は様々、それをどのように発表にしていくのかが、「どきどきはっぴょうかい」のみどころです。
「どうしよう」と悩むのは、目立ちたがりのぐるりんと恥ずかしがり屋のちぃちゃん。2匹は相談して、「散らかす」と「かくれんぼと歌」というそれぞれの特技を生かして、とっておきのエンターテインメントに仕上げました。ほかの3匹も準備万端! 読者も一緒に、発表会当日を楽しみましょう。
子どもたちが共感できる、個性豊かなこりすたち。おはなしを通じて、その個性が輝き、みんなに温かく見守られる学校の心地良さが体感できるでしょう。かわいいりすのこたちに、どんぐりやまつぼっくりなど、秋の森の情景に加え、芸術、読書、食欲などの秋も満喫できます。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
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