浅草へやってきた18尾のお客さま。
その名も……たこ、いか、かに、ほうぼう、ふぐ、べら、たちうお、めばる、さけ。
加えてさんまといわしはそれぞれ2尾。
他に、さば、あじ、あなご、かれい、たい。
はい、これで18尾!
「ついたー!」と喜ぶのは、たい。
一番乗りで「あのふねにのりたーい!」と走るのは、いか。
雷門の前で写真を撮って、浅草寺へ。
「おおきいですね」と感心しているのは、かれい。
「御朱印おねがいします」と社務所の窓口に声をかけているのは……たぶん、たちうお。
どの魚が何かを当てるのは、なかなか難題です。
切り身でしか魚を見たことがないという小学生もめずらしくない昨今ですが、クレヨン絵本作家としてたくさんの美味しそうなものを描いてきた加藤休ミさんから、「ほら、これならわかるでしょ?」と魚当てクイズの “お題”を出された気分。
よーく本文を読んで絵を見て、描きこまれたおしゃべりに耳を傾けるとちゃんとわかるはず、なのですが……。
いったいどれが、めばるで、べらで、さばなのかしら?
そんなこと知っているよ!という子どもたちも、ちんどん屋から寄席、遊園地、銭湯と、存分に浅草観光をしてください。
魚たちの和気あいあいとした姿に、思わず読者の頬も緩みっぱなし。
ユーモラスな掛け合いが面白くて、1冊読み終わるころにはすっかり「おさかなかんこう」ご一行さまのメンバー気分です。
楽しき下町情緒あふれる浅草の懐の深さにも触れ、浅草ファンになってしまいそう。
「おさかなかんこう」一行は、海から隅田川をのぼって浅草へ。
最後は再び川をくだって海へと帰ります。
浅草って、海から訪れることのできる場所なんですね。
ぜひ、あなただけの楽しみ方を見つけて、お気に入りの一冊にしてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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