大好きなおふろに入りながら、たろちゃんとかばちゃんはこんなことを言います。
「きょうも みんなの おふろに はいりにいこうか かばちゃん」
「そうだねえ たろちゃん」
早速ふたりはトロッコ列車に乗り込んで、がたんごとんと出発です。
「おふろ おじゃまします」
最初に着いたのは、うさぎちゃんのおふろ。ぷくぷく、もこもこ、あわのおふろ。次におじゃましたのは、ぶたちゃんのどろんこぶろ。がたんごとん、さらに進むと森の中。しかさんのおふろはほかほかサウナ。天井裏にはふくろうさんのおはなしおふろ。さらにさらに、たこさん、わにさん、ぞうさんのおふろまで。みんなのおふろ、楽しいねえ! トロッコ列車は岩山をのぼり、もうすぐ「やまのてっぺん駅」。そこで待っていたのは……!?
おふろと言っても、こんなに色々あるなんて。見てください、おじゃまする時のたろちゃんとかばちゃん。ワクワクしているのが全身から伝わってくるようです。人気絵本作家たしろちさとさんが最新作で手がけたのは、おふろの絵本。かわいいけれど、スケールは壮大です。なんてったって、最後は動物たちがみんな一緒に入れるんですからね。観音開きでバッシャーンと画面が大きく広がるシーンの爽快感といったら。
気がつけば、心もからだもぽっかぽか。たろちゃんとかばちゃんじゃなくたって、おふろが大好きになっちゃいますよね。最後はやっぱり自分のうちのおふろ。またみんなで入ろうね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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