アンパンマンの作者やなせたかしが弟・千尋との思い出を綴った幼物語。
- 泣ける
絵本紹介
2023.10.19
お待ちかねのペットだよ、と渡されたのが“じゃがいも”だったり、主人公がまさかの“橋”だったり、忍者の正体がまさかまさかの“ひげ”だったり、設定から気持ちよく脱力させてくれるユーモア絵本が勢ぞろい!
「ぼってん!」と叫ぶさぼてんの少年や、水玉模様がおしゃれなきのこ、不器用で優しい犬のポンなど、個性豊かなキャラクターも続々登場。『おかっぱあたまとひみつのトカゲちゃん』や『みーちゃんとふしぎなとびら』のように、しょんぼりした気持ちを明るく前向きに変えてくれる読後感も、ユーモア絵本の魅力です。
アハハと大笑い、クスッと微笑んで、ニヤリと笑える。耳に残る口癖やしぐさを真似して遊べば、ユーモアの波は絵本の外へ外へと広がっていきます。一緒に読めば心が軽くなって、「楽しい!」を共有できる。そんな、たまらなく幸せな時間を味わってみてくださいね。
この書籍を作った人
弘前大学人文学部卒業。旅行会社勤務、雑誌のライターなどを経て翻訳者に。訳書に「ランプの精リトル・ジーニー」シリーズ(ポプラ社)、「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズ(小峰書店)、『ノエル先生としあわせのクーポン』(講談社)、『キリエル』(あかね書房)、『ルルとブロントサウルス』(小学館)など、100冊以上を数える。宮城県出身、東京都在住。
みどころ
このちょっと不思議な姿をしているのは、はしのはしたろう。え、はしが主人公!? いったいどんなお話が始まるというのでしょう。
はしたろうが散歩に出かけると、川の向こうでうさぎといのししが困っています。石の上にはかめたちが気持ちよそうに眠っていて、川を渡ることができないのです。そこで、はしたろうが川に入ると、思いっきりのびをします。
「うーーーん」
すると体が少しずつのびていき、向こう岸にかかります。大喜びでうさぎといのししが渡りおわるとまたもとどおり。今度は、道路の真ん中に大きなかば。これではバスが通れません。はしたろうはまたのびをします。さらに海についたはしたろうは、もっと大きなのびをします。
「んぐぐぐー――っ」
すると……?
確かに「はし」って、とても便利。でも、こんな風にのびたりちぢんだり、さらには自らお散歩をするだなんて、想像をしたこともありません。でも、はしたろうを見ていると、なんだかとっても爽快な気分になってくるのです。そして、ちょっぴり真似してみたくもなってきます。うーーん、んぐぐぐ―――っ。
作者つぼいかなおさんの、クスッと笑える絵本デビュー作。トムズボックス土井章史氏プロデュース作品です。
この書籍を作った人
1982年茨城生まれ、千葉県柏市で育つ。有田川町絵本コンクールで優秀賞、武井武雄記念日本童画大賞で絵本部門優秀賞、ピンポイント絵本コンペで優秀賞受賞。『はしのはしたろう』がはじめての絵本である。
出版社からの内容紹介
うれしくてぼってん!、楽しくてぼってん!、みんなでぼってん!
とびきりキュートな”さぼてんぼうや”登場!
・うれしいときに「ぼってん!」と叫ぶキャラクター、さぼてんの”さぶ”が主人公
・クスっと笑えて、ほっこり温かい、兄弟愛と友情の物語
・人気絵本作家・石津ちひろ×田中六大の新コンビ!
ぼくは、さぼてんぼうやの”さぶ”。
ある日、妹のはなこと公園へ行くと、大好きなお祭りがひらかれていた。
「ぼってん!」
ぼくたちがお祭りを楽しんでいると……。
愛さずにはいられないキャラクター、さぼてんのさぶと仲間たちが繰り広げるストーリー。
読んだ後は、大人も子どもも思わず「ぼってん!」と口に出したくなる?
この書籍を作った人
1953年愛媛県生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。3年間のフランス滞在を経て、絵本作家、翻訳家として活躍中。『なぞなぞのたび』(フレーベル館)でボローニャ児童図書展絵本賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞、『あしたのあたしはあたらしいあたし』(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞。訳書に『リサとガスパール』シリーズ(ブロンズ新社)他多数。
この書籍を作った人
1980年、東京都生まれ。多摩美術大学大学院修了。漫画家・イラストレーター。 挿画に『ひらけ!なんきんまめ』(小峰書店)、『日曜日』シリーズ(講談社)など。絵を担当した絵本に『だいくのたこ8さん』(くもん出版)、『まよいみちこさん』(小峰書房)、『ふしぎなかばんやさん』(鈴木出版)、『おすしですし!』(あかね書房)など。作絵の絵本に『おしっこもらスター』(あかね書房)、『ふしぎなえき』(交通新聞社)など。漫画に『クッキー缶の街めぐり』(青林工藝舎)などがある。
出版社からの内容紹介
不器用だけど、いつも全力で助けてくれる、
おひげがトレードマークの犬『おひげのポン』。
そして、そんなポンちゃんを背後からじっと見つめるのが、
いたずらがだいすきな「ガハハ」です。
いつも困っている友達を助けるポンちゃんのことが、ガハハは気になっています。
そこで、ポンちゃんを困らせようとみんなにイタズラを仕掛けてみるけれど、
やっぱりポンちゃんは素早くピンチに駆けつけるのでした。
「だれかを助けるって、そんなにいいことなのか?」
そんなある日、ガハハは赤ちゃんカラスがヘビに
食べられそうになっているところに出くわします。
さて、ガハハは一体どうするのか…!?
人助けをすると、なんだかむねのあたりが”ぽかぽかする”…?
誰かを思いやる気持ちがありつつも、なかなか踏み出せない一歩。
やさしさって?思いやる気持ちって?助ける勇気って?
やさしくてちょっと不器用なキャラクターたちが繰り広げるドタバタ劇。
大人もハッと気づかされる、勇気と笑いが詰まった癒やし絵本です。
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くすっと笑いながら読んで、最後にはうるっとしてしまう。
自分も「おひげのポン」のようでありたいと自然に思いました。
(絵本好き 読者)
ポンちゃんとガハハは、誰の心の中にも住んでいる気がします。
(アメリカ在住 図書館員)
ガハハがポンのやさしさに触れ、誰かを助けることの喜びを
知っていく物語にほっこりしました。
「誰かを助けると心が温かくなる」というメッセージは、
きっと子どもたちの心にも残るものになるでしょう。
(書店員)
文:栗田 奈緒子 編集:木村 春子