ブリッタ・テッケントラップ
ドイツハンブルグ生まれ。ロンドンのセントマーティンズ・カレッジ・オブ・アート、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学ぶ。子ども向け絵本および挿絵の分野で活躍しており、絵画展も多数開催されている。共にアーティストである夫、息子と一緒にベルリンで暮らしている。
海の見える丘の上に、ブランコがあります。
ときには、子どもがひとり、座っています。
ときには、子どもがふたり、楽しげにブランコをこいでいます。
夕日を見つめる老人がいます。
遊ぶ親子や、祖母の手をひく子どもがいます。
鳥がやってきます。
子どものそばに空想の動物が現れることもあります。
毎晩、夜がやってきます。
ときには嵐も。
訪れる人びとのささやかで特別なひとときを、
詩情豊かな絵と言葉で紡いだ絵本です。
そこを動かないブランコの記憶は、場所の記憶でもある。人びとの記憶のなかにあるブランコは、優しいふるさとのようにそのひとを包み込む。いつもそこにいて、すべてを受け入れ、ただ、待ってくれている。
——梨木香歩さん
この書籍を作った人
ドイツハンブルグ生まれ。ロンドンのセントマーティンズ・カレッジ・オブ・アート、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学ぶ。子ども向け絵本および挿絵の分野で活躍しており、絵画展も多数開催されている。共にアーティストである夫、息子と一緒にベルリンで暮らしている。
ブリッタ・テッケントラップさんは、
イギリスで長く活躍された後、故郷のドイツに戻り、
数多くのすばらしい作品を発表しています。
日本でも子ども向けの絵本が刊行され、とても人気がありますが、
大人の心をもゆさぶる本作『ブランコ』は、
一度見たら忘れられないほどの格別の魅力、凄みに満ちています。
150ページもある、真四角のこの絵本には、出会い、別れ、友情、恋、冒険……人それぞれのブランコをめぐるワンシーンが描かれます。
ブランコはいつも変わらずそこにいてくれて、まるでみんなを見守っているようです。
ページをめくるたび、ブランコで遊んだあの頃にもどっていくような、たとえようのない懐かしさと優しさに包まれます。
まるで『ちいさいおうち』のブランコ版のような、励ましに満ちた本作に作家の梨木香歩さんが共鳴してくださり、心に迫る壮大な物語に訳出してくださいました。
大切な時間や気持ちをぎゅっとつめこんで送り出します。みなさんにこの本に出会っていただけますように。