まてまて、ごめん。
- 作:
- 渡辺 朋
- 絵:
- 早川 世詩男
- 出版社:
- 童心社
絵本紹介
2025.12.24
すぐに「ごめん」と言えなくて、手紙を書いたけれど、そうたが書いた「ごめん。」が逃げ出した! 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『まてまて、ごめん。』。画面の中で、そうたの「ごめん。」が自由に走り回る!? いったいこの絵本、どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
「まてまて、なんで にげるんだよ」と追いかけるそうた。
「つかまるもんか!」と走っていく「ごめん。」。
いったい何が起こっている!? おまけにそうたの「ごめん。」が他の「ごめん」を連れ出して、ここかしこであらゆる「ごめん」がいなくなり、商店街は大混乱。果たしてそうたは、自分の「ごめん。」を取り戻し、ハルに「ごめん。」を伝えることができるの?
物語から突然飛び出す「ごめん。」の文字。その様子は、一目見て夢中になってしまうほどのインパクト。だって、自分が書いた文字が逃げ出すなんて考えたこともないし、そんな景色を想像したこともない。
作者は童心社「第10回絵本テキスト大賞受賞」をされている渡辺朋さん。そして、そんな型破りな設定を、絵本の世界として魅力的に再現してしまったのが、装画・挿画でも大人気の早川世詩男さん。様々なフォントの「ごめん」が逃げ出していく様子と言ったら!
だけど確かにこの世界から「ごめん」がいなくなると、困ることがたくさんある。そもそも、なんで「ごめん。」が逃げ出したのか、その理由だって気になるよね。
自分の気持ちに向き合うことの大変さと面白さ。その両方が味わえる風変りで味わい深い一冊です。
がんばれ、「ごめん」!
きっかけは、すんなり口から出せなかった「ごめん。」。その気持ちはよくわかる。だけどぐずぐずしていたら、「ごめん。」の方だって、いつまでも大人しく待ってくれているとは限らないのだ。「あっ!」と気づいた時には、私の「ごめん」だって、そうたの「ごめん。」みたいに逃げ出してしまうかもしれないのだ。だからこそ、心の中に「ごめん」の気持ちがあるうちになんとか相手に伝えなければ……。逃げるな「おれ」、がんばれ「ごめん」。皆さんも、どこかで「ごめん」を見かけたら、そっと応援してあげてくださいね。
この書籍を作った人
福井県生まれ。児童館・学童クラブで11年間勤務。童話の会「ペパン」同人。本作で第10回絵本テキスト大賞を受賞。絵本作品に、『うーんうん うんちちゃん』『ちゃーぷちゃぷ あひるちゃん』『ゆーらゆら みかづきちゃん』(いずれも文響社)がある。
この書籍を作った人
愛知県生まれ。「ザ・チョイス年度賞」第30回入賞、第32回大賞、「装画を描くコンペティションVol.13」審査員賞。絵を手がけた作品に『ゆかいな床井くん』(講談社)、『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』(小峰書店)、『コトノハ町はきょうもヘンテコ』(光村教育図書)、「どろぼう猫シリーズ」(静山社)などがある。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。