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編集長・磯崎が新作絵本を推薦!【NEXTプラチナブック】

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絵本紹介

2026.04.08

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たとえ自分が変わったとしても。『ぼくを グレーって よんで』【NEXTプラチナブック】

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2026年2月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

毎年冬になると、パパとぼくは、二人で一緒にスケートリンクをつくる。でも今年は、なにかがちがう。それは、ぼくのせいなんだ……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『ぼくを グレーって よんで』。作者のトランスジェンダーとしての経験に着想を得て生まれたというこの絵本。どんな内容なのでしょう。

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

たとえ自分が変わったとしても。『ぼくを グレーって よんで』

今年は、なにかがちがう。

  • ぼくを グレーって よんで

    みどころ

    毎年冬になると、パパとぼくは、二人で一緒にスケートリンクをつくる。これは絶対に変わらないこと。いつもだったら、スケートをするのが待ちきれない。でも今年は、何かが違う。

    ぼくには、パパに話したいことがある。ちゃんと言えればいいのだけれど、どこから話せばいいのかわからない。

    「ねえパパ、パパは、自分ってなんなのか、
     わからなくなっちゃったことって、ある?」

    ぼくは、パパに少しずつ話した。親友のゼナのお泊まり会に呼ばれなかったこと。お泊まり会は女の子だけだったからということ。自分が見た目と本当の自分がちがうって感じること。自分が女の子みたいに感じることがあるということ。そして、自分をグレーって呼んで欲しいと思っていることを。

    聞きながら、パパはずっとずっとだまったままだった。そして言ってくれた。

    「話してくれてうれしいよ」

自分のジェンダーで迷いはじめている子と、その悩みを受け入れ、見守る父親の姿を繊細に描きだしたこの絵本。

作者はアンドリュー・ラーセンとベルズ・ラーセンの親子。ベルズ自身のトランスジェンダーとしての経験に着想を得て生まれてきた物語なのだそう。主人公が自分の名前を「チクチクするセーターを着ているみたいだ」と表現する場面からも、その違和感やしっくりこない感覚というのが、わかりやすく伝わってきます。父親の方にだって戸惑いはあるでしょう。けれど二人は視線をそらすことなく、しっかりと向き合い、対話をしながら寄り添っていくのです。

「ぼくはグレー。」

なにかが変わっていく自分と、なにがあっても変わらない関係。そんな二人の決意を、夕暮れの雪景色が優しく包み込みます。

 

編集長のおすすめポイントは……

たとえ自分が変わったとしても

自分が何者かがわからない。自分が自分でない気がする。ジェンダーアイデンティティに迷いや不安を感じる子どもにとって、親に受け入れてもらった時の安心や喜びというのは、はかりしれないものがあるのでしょう。たとえ自分が変わっていったとしても、居場所を失うことはない。家族の愛は変わらない。そんな確信の上で、はじめて心を解き放ち、自由に羽ばたくことができるのかもしれません。支える家族の励みにもなってくれる物語です。

この書籍を作った人

アンドリュー・ラーセン

アンドリュー・ラーセン (Andrew Larsen)

1960年、カナダのケベック州モントリオールに生まれる。12歳のとき、家族はオンタリオ州トロントへ引っ越した。結婚して子どもが生まれてから子どものための物語を書く楽しみに目覚め、やがて本格的に作家として活動するようになった。これまでに20を超える児童書を発表している。本書はベルズとの初の共作。トロント在住。

アンドリュー・ラーセン 作品一覧

この書籍を作った人

ベルズ・ラーセン

ベルズ・ラーセン (Bells Larsen)

カナダのオンタリオ州トロントに生まれる。8歳の誕生日にギターを贈られたことをきっかけに音楽に夢中になる。ローズデール・ハイツ芸術学校を卒業後、トロントとモントリオールを拠点に、シンガーソングライター、作家として活躍している。

ベルズ・ラーセン 作品一覧

この書籍を作った人

タルーラ・フォンテーヌ

タルーラ・フォンテーヌ (Tallulah Fontaine)

カナダのアルバータ州エドモントンに生まれる。これまでに、ニューヨーク・タイムズやニューヨーカー、Googleなど、出版物やブランドとのコラボレーションを通じてイラスト作品を発表している。本書が初めて手がけた児童書。モントリオール在住。

タルーラ・フォンテーヌ 作品一覧

この書籍を作った人

石井 睦美

石井 睦美 (いしいむつみ)

作家、翻訳家。1990年『五月のはじめ、日曜日の朝』で、第3回毎日新聞はないちもんめ童話大賞、新美南吉児童文学賞受賞、2011年『皿と紙ひこうき』で、第51回日本児童文学者協会賞、2015年『わたしちゃん』で第26回ひろすけ童話賞受賞。子どものための読み物に「すみれちゃん」シリーズ(偕成社)、創作絵本に『100年たったら』(アリス館)、翻訳絵本に『せかいでさいしょに ズボンをはいた 女の子』『色とりどりの ぼくの つめ』(光村教育図書)など。

石井 睦美 作品一覧

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。

出版社おすすめ

  • はるかと森のなかま
    はるかと森のなかま
    出版社:銀の鈴社
    この作品は、銀の鈴社の年刊短編童話集『ものがたりの小径』(テーマ:届く)に収載された作品です。


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