おべんとう わすれてるよ
- 作:
- 東川 りえ
- 出版社:
- マイクロマガジン社
絵本紹介
2026.07.03
「あ! おべんとう わすれてる!」ふいにやって来るこの大ピンチを、ままはどう乗りこえる!? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は『おべんとう わすれてるよ』。ひたすらお弁当を届けるために走り続ける「まま」のスーパー追いかけっこ絵本。どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
誰もが冷や汗を流すこの瞬間!
けれど、ままはあきらめませんよ。
電車に乗って楽しそうなちいたくん達。その背後では……
ひたすらおべんとうを届けるために走り続ける「まま」の、スーパー追いかけっこ絵本。テーブルの上に置きっぱなしになったおべんとうを見た時のままの表情といったら。
ところがこの絵本。読み終わってみれば、くやしいほどに声を出して笑ってしまう面白さ。嬉しそうに目的地に向かうちいたくんとクラスのお友達。その画面のはじっこに飛び込んでくるのが、ままの必死な姿。そのギャップが大きくなればなるほど、ままが頑張れば頑張るほど、読者の気持ちは盛り上がっていくのです。自転車がトラックへ、トラックがボートへ、さらにはとんでもない乗り物まで登場して!? それらが行われているのは、全て電車の窓の外。横開きで進んでいく画面構成も斬新です。
さて、ままは無事におべんとうを届けられたのでしょうか。それは読んでからのお楽しみに。絵本をとじた後も、耳に残るこの響き。
「ちいた! おべんとう わすれてるよ〜 てるよ〜 てるよ〜〜」
どこまでも明るく、たくましく、幸せな気持ちに満ちたこの絵本。みんなで一緒に楽しんでくださいね。
必死だからこそ
「子どもがおべんとうを忘れていった……」全てはここから始まります。まさに絶望。とても他人事とは思えなくて、ハラハラしてしまった方も多いのではないでしょうか。けれど振り返ってみれば、この究極のピンチこそ、子育ての大きな喜びでもあったりするのです。終わってみれば、この偉大なままの冒険物語だって「子育て日常あるある」の一つだったりして。そんな姿に胸をうたれつつ、やっぱり笑いとばしてしまうのが正解なのでしょう!
この書籍を作った人
1983年 東京生まれ、茨城育ち取手松陽高校 美術科 卒武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科 卒Gallery Vie 絵話塾ゆっくりコース 修了CGデザイナー、フォトレタッチャーのアシスタント、子どもの図工教室の講師などを経て、絵本の制作を開始。2019年『まちにまったおでかけのひ』で絵本作家デビュー。ダメ出し係の夫の協力を得ながら、創作活動にいそしんでいます。動物とおいしい食べ物、 空がみせる微妙な表情などの絵を描くことが大好きです。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。