キラキラ輝く銀のうろこを持った特別な魚の、成長と冒険を描いた『にじいろのさかな』(講談社)。1992年にスイスで誕生し、世界中の子どもたちに愛される「にじうお」が、今年、25周年を迎えました。今回は、日本の出版元である講談社の吉田幸司さん、長岡香織さんにお話を伺いました。シリーズを通して問いかける、作者・マーカス・フィスターさんの思い。そして、子どもも大人も惹きつけてやまない、「にじいろのさかな」シリーズの魅力に迫ります。
- にじいろのさかな
- 作・絵:マーカス・フィスター
訳:谷川 俊太郎 - 出版社:講談社
ぼくはこんなにきれいなのに、どうしてだれにもすきになってもらえないんだ? にじいろにかがやくうろこをもった、世界でいちばん美しいさかなは、ひとりぼっちでさみしいさかなだった。ある日、にじいろのさかなは、なやみをひとでにうちあけた。
●シリーズ8冊が刊行! 『にじいろのさかな』の魅力
日本では1995年にシリーズ1作目の『にじいろのさかな』が出版されました。仲間思いで勇敢な主人公・にじうおは、たちまち子どもたちの人気者に。2017年7月には最新刊、『まけるのも だいじだよ にじいろのさかな』が出版され、シリーズは8冊になりました。
すべてのページに施された、にじうおのキラキラのうろこの美しさも、長年にわたって子どもたちの目をひきつけています。
●キャラクター紹介
●対象年齢やあそびの場面に合った「にじいろのさかな」プレイブックいろいろ
「にじいろのさかな」シリーズの詳細はこちら。
●作者紹介
マーカス・フィスター(Marcus Pfister)
1960年、スイスのベルンに生まれる。高校卒業後、ベルンの美術工芸学校の基礎科に入学。その後、グラフィック・デザイナーとして、1981年から1983年までチューリッヒで働く。カナダ・アメリカ・メキシコを旅行ののち、帰国後はフリーランスのグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして活躍している。おもな作品に「ペンギンピート」シリーズ、「うさぎのホッパー」シリーズ、「にじいろのさかな」シリーズなどがある。1993年、ボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞した『にじいろのさかな』をはじめとする「にじいろのさかな」シリーズは、世界で3000万人の読者に迎えられた大ベストセラーとなっている。『にじいろのさかな』以外の日本での翻訳作品に、『ちいさな つきがらす』『おしえて おしえて』『いろとりどり』『ペンギンピート ひみつのぼうけん』『ねぼすけふくろうちゃん』がある。
日本語訳者:谷川俊太郎
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。1975年に『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1988年に『はだか』で野間児童文芸賞、1993年に『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞などを受賞。既刊「にじいろのさかな」シリーズのすべての翻訳を担当している。

それでは次のページから、講談社 吉田幸司さん 長岡香織さんのインタビュースタートです。