静岡県浜松市にある、BOOKアマノ三方原店さんにお邪魔しました。
児童書売り場の、目立つところにコーナーが!
───表紙がずらっと並んで、とても目立つコーナーですね! BOOKアマノさんの店舗すべてでこのように展開しているのですか?
はい。そうですね。全店でコーナーを作っています。
BOOKアマノ三方原店 児童書担当 前島なお美さん
───いつ頃から、このように店頭展開されているのでしょう。
きっかけは、2016年に社長が浜松市の美術館に行った際に、美術館にあった「おはなし名画」シリーズと出会ったことです。一目見て「これはいい本だ!」と、すぐに出版社さんへ連絡をして、なんとか店に置きたいと依頼したそうです。
───表紙がこれだけ並ぶと壮観です。コーナーにしてからお客さんのどんな反応がありましたか?
やっぱり名画の表紙が並んでいるときれいで目を引きますね。足を止めて見ていかれる方もいらっしゃいます。
───どんな方が購入されていますか?
幅広い年齢の方が購入されていますが、ご自分用やお子さん、お孫さんに買って帰られることが多いと思います。クリスマスや入学入園の時期は、特によく売れていて、ラッピングの要望も多いです。1冊買われた方で、次に別の巻を買われていったり。シリーズでだんだん揃えていっている方もいらっしゃいますね。
───なかでも、人気の巻はありますか?
一番売れているのは『対訳 鳥獣戯画』です。眺めていると自由に想像が広がって、とても楽しいですよね。『レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ』や『葛飾北斎』なども定番で人気があります。
───『対訳 鳥獣戯画』は、絵本ナビでもとても人気があります。カエルやウサギ、サルの動きを見ているだけで、マンガを読むように面白いですね。「鳥獣戯画」の絵巻物を絵本で全図通して見られるのがすごいです。
今からおよそ900年まえに鳥羽僧正が描いたとされ 漫画のルーツともいわれる鳥獣戯画。 長さ10メートルもある絵巻に 兎、猿、蛙たちのいきいきと楽しい姿が描かれています。
甲・乙・丙・丁と呼ばれる全4巻のうち、甲巻の全図を、おはなしで読むことができます。
スタッフの間でに人気があったのは『ダリ』です。歪んでいて、謎がたくさんあって、面白くてみんなで見入ってしまいました。「私はこれが好き」「私は、これ」と絵を見ながら、話に花が咲きました。
- おはなし名画シリーズ(16) ダリ
- 監修:森田 義之
- 出版社:博雅堂出版
奇想天外な作品で人々を驚かせ、楽しませてくれるダリ。 動かないものが「静物」 という常識をくつがえし、 この作品では静物がまるで生き物のように動き出し、空中を飛び回っています。
───みんなでワイワイ読むと盛り上がりそうですね。前島さんからみて、「おはなし名画」シリーズは、どんなところが特徴的だと思いましたか?
1番はわかりやすさだと思います。ひらがなが多くて、漢字にはふりがながあって、とても読みやすいです。子どもがわかりやすく読める画集というのは、なかなかないですよね。
それから絵の印刷がとてもきれいです。ここまで絵が大きくて、細かくきれいなものはあまりないと思います。わかりやすさと見やすさのバランスがとても良いですね。
───本が大判サイズ(26cm×33.5 cm)なので、絵が大きくて見ごたえがありますね。色についても、実物をとても忠実に再現されているそうです。国内の作品は所蔵先で実物と印刷見本を突き合わせて確認しているんだそうです。
子ども向けの本で、一人の画家の作品をこれだけまとめて見られるというのはめずらしいですよね。シリーズも巻数が多くて。普段名画に触れる機会がない方でも、子どもから大人まで気軽に楽しめてとても良いシリーズだと思います。