かなしげな少女がひとり、くらくなった野はらにたっています。胸のエプロンに子ねこをだいています。子ねこは家につれて帰れません。すてるにすてられず少女は……。
安房直子さん特有の、弱者に対する優しい目と、美しい色彩に溢れた絵本です。
登場人物もわずかですし、場面もほとんど変わらないのですが、静かな物語が確実に進んでいきます。
その静けさが、お話の内容に、優しさと温かさを運んでくるような気がします。
捨てられるしかない小さい生き物達が、この世界ではないどこかで、幸せに暮らしているであろうという作者と読者の願いがこもったお話です。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子9歳、男の子7歳)
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