ドラゴンとの戦い方を知らない騎士と、騎士との戦い方をしらないドラゴンが戦うことになって・・・。と、聞くとなんだか勇ましい感じ。
でも実際、絵本を見ると拍子抜けする位ほのぼのした雰囲気なのです。大きいのに何か愛嬌のあるドラゴンと、小人みたいにちっちゃくて(ドラゴンに比べてたらね。)可愛らしい騎士。
まず、たたかうにあたって騎士は、図書館でドラゴンとの戦い方のかいてある本をかたっぱしから読みます。ドラゴンの方はほら穴の奥から古い本を引っ張り出してきて。
そして騎士は鎧づくり。ドラゴンはしっぽを振り回す練習や怖い顔の練習。次に実践で訓練。二人ともうまく行かないながら一生懸命練習して、さぁ後は日取りを決めるだけ。
いざ、勝負!・・・あれれ?それを、なぜかちょうど通りかかった移動あおぞら文庫(?)の女の人が様子を見ていて・・・あれよあれよと奇想天外な成り行きへ。そして以外なエンディング。
この少々強引で笑ってしまう展開がとても自然な流れに思えてしまうところがさすが、トミー・デ・パオラ。世の中もこんなに単純に収まればいいのに、と思わず考えちゃったりして。
からっとした話の展開と、ほのぼの可愛らしい絵でちょっとコメディーな雰囲気。言葉はとっても少なく、絵を見ているだけでストーリーがわかる様になっているので小さい子でも楽しめそう。そして何回読んでも飽きないで笑えそうです。このドラゴン、なんでこんなに可愛いのだろう。特に「怖そうな雰囲気をかもし出す」練習をしている時の顔が最高です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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