夏休みといえば、読書感想文。読書感想文と聞くだけで嫌な気持ちになる人も多いかもしれません。それでも宿題だからと嫌々暑い日々を過ごしたそんな気分が読書嫌いを生みだすのだとしたら、本当に読書感想文は必要なのでしょうか。
青少年読書感想文コンクールも今年で61回。戦後間もなく青少年の育成のために作られたのでしょう。嫌な思い出の人もいれば、これをきっかけに本好きになった人も多いはず。
感想文はともかくとして、課題図書で推薦されて一冊が本の世界を広げてくれたら、どんなにいいでしょう。
もりやまみやこさんのこの本は今年の小学校低学年向きの課題図書の一冊です。
はたこうしろうさんのかわいい絵がついて、絵本から少し字数の多い本で移行する子どもたちにも読みやすい本。
しかも、「あした あさって しあさって」という日にちの数え方も自然と覚えることができるようになっています。
遠くの町で仕事をしているおとうさんの帰りを待っているくまの子の話。
くまの子はおかあさんに「おとうさんはいつかえってくるの」と聞きます。おかあさんは、「しあさって」って答えます。くまの子は「しあさって」がわかりません。だから、「しあさってって、いつ」と聞きます。
おかあさんは「あさってのつぎのひ」と教えてくれます。
そして、ちゃんとカレンダーでいつが「しあさって」なのかをくまの子に教えます。
あしたはわかっても、「あさって」も「しあさって」もわかりにくい言葉です。くまの子のおかあさんのように、カレンダーの数字で示すと、わかりやすいものです。
くまの子はおとうさんが帰ってくるのが楽しみで仕方がありました。次の日になれば、「しあさって」は「あさって」になり、またその次の日は「あした」になる。
くまの子はそうやって日にちの数え方を学んでいきます。
子どもたちはこの本で時間のことを少しは勉強します。「夏休みなんてあっという間よ」とけしかける前に、「しあさって」までに感想文を書こうね、なんていうのも、いいかも。
「しあさっての次はなんていうの?」なんて聞かれたら、困りますが。