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日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

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綱渡りの男」 パパの声

綱渡りの男 作・絵:モーディカイ・ガースティン
訳:川本 三郎
出版社:小峰書店 小峰書店の特集ページがあります!
税込価格:\1,980
発行日:2005年08月
ISBN:9784338202046
評価スコア 4.75
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  • 事実に圧倒されます

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    2004年のコールデコット賞受賞作品。
    原題は、The Man Who Walked Between the Towers
    あの今は無きツインタワーを綱渡りした男の話です。
    作者は、同時多発テロでツインタワーが崩れ落ちたとき、フィリップの綱渡りを思い出し絵本制作したとのこと。
    9.11事件の記憶覚めやらぬ時の発刊だから、絶賛されたのかと思いきや、さにあらずというのが第一印象です。

    時は、1974年8月7日。
    フランス人の綱渡り師フィリップ・プティは、世界貿易センターの2棟のビルの間に綱を張り、地上約400メートルの高さで綱渡りをしました。
    この一部始終を絵本にしたものです。

    主人公は、ニューヨークでストリート・パフォーマンスをしているフィリップ。
    彼は、マンハッタンにそびえ立つ世界貿易センターのツインタワーを見つめ、その建物ではなく、その間にある空間に魅了されたのです。
    ロープを張るには絶好の場所だ、あそこで綱渡りをしたいと思ったのです。
    直ぐ実行するのが、フィリップの真骨頂であり、それが、この話のポイントの一つです。

    ロープを張る課程も詳細に記載がありますが、ここら辺りは、小学校高学年でないと理解できないかも知れません。
    何と言っても、綱渡りを始めるシーンが圧巻です。
    開くと3ページに及ぶシーンは、はるか下に自動車、フェリーやビル群があり、フィリップの周りを旋回するカモメが祝福するかのようです。
    別のページには、自由の女神が見えるシーンもありました。
    下から市民が見上げるシーンも、開くと3ページになり、その高さに圧倒されること間違いありません。

    これが事実だと知ると、誰しもが驚愕するに違いなく、純粋にその行為に想いをはせることで楽しむことができる絵本です。
    事実に基づき忠実に描いていているので、理解するには小学生にならないと難しい箇所があると思います。
    9.11事件に触れた記述はなく、綱渡りのことのみを描いた作品からは、ツインタワーの思い出として、人々を驚嘆させた綱渡りの記憶だけを残したい、という作者の気持ちがストレートに伝わってくる作品でした。

    投稿日:2011/02/20

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    6
  • この絵本、主人公はニューヨーク世界貿易センターの二つのタワーを綱で渡ったフィリップですが、ビルそのものが主役であるような気がします。
    9.11の事件がなければ、この絵本は生まれなかったかもしれないし、これほどの感銘を与えないかもしれないのです。
    ビルは、ジェット機が突っ込むというあの悪夢で崩壊しました。
    それがなければ、ビルはアメリカの象徴であり夢であったはずです。

    そして、そのタワーの間を綱渡りすることが大道芸人フィリップの夢でした。
    絵本は、詳細に描いていますが、つた渡りしている後継は、回りの人の反応とは反対にフィリップの夢の実現。風も景色も夢のような思いでした。

    そして今、ビルの姿はなく、ビルも綱渡りも過去の夢。フィリップのすごさとともに、ビルがそびえていた時の平和を思い起こします。

    それにしても、とてもスケールの大きな綱渡り。見ていると吸い込まれそうな緊張感。
    フィリップの解放感と、行動力が伝わってきます。
    あのような事件は二度と起こってほしくありませんが、9月11日が来るたびに、あの事件とともに思い出されるのでしょう。

    投稿日:2009/09/12

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    4
  • ゾクゾク

    実話を元にした絵本だそうです。でも、実話かどうかというのはこの絵本にはあまり関係ないことじゃないかって思います。

    ちょっとした仕掛けのおかげで、大人でも映画のカメラワークのようなゾクゾク感を味わえます。

    盛り上がった気持ちのまま最後に行くと、寂しくお話が終わります。あまり小さい子が相手だと、うまく読み終えるのが難しそうです。

    投稿日:2009/11/12

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    2
  • そのビルはもうないけれど

    2001年9月11日、その日起こった事件のことはよく覚えています。
     事件を伝えるTV中継のその最中に、また一機の航空機が
     背の高いビルに突っ込んで、ビルは崩壊します。
     3000人近い人が亡くなり、25000人以上が負傷した
     世界を揺るがす大事件です。
     のちにアメリカ同時多発テロと呼ばれます。
     この時崩壊したのが、
     ニューヨークにあったワールドトレードセンターの高層ビル2棟でした。
     今はこの二つのビルを見ることはありません。

     2つのビルが完成間近の、1974年8月7日の朝、
     2つのビルの間に張られた一本のロープを
     綱渡りで渡った男がいました。
     この絵本『綱渡りの男』(作 モーディカイ・ガースティン)は、
     その青年フランスの大道芸人フィリップ・プティが
     どのように綱を張って、
     綱の上でどんなパフォーマンスをしたかを描いた作品です。
     翻訳をしているのは、映画評論家の川本三郎さん。
     川本さんが絵本の翻訳(この絵本は2005年刊行)をしているのは知りませんでしたが、
     そういえば、この絵本はまるで映画を観ているような
     大胆な構図と大きな画面が伝わるように工夫されています。

     この絵本は単に綱渡りという大道芸を描いた作品ではありません。
     今はなくなった2つのビルのことを思い出し、
     ビルがなくなった原因に思いをはせることです。
     そして、そのあとに起こる憎しみの連鎖のことも考えてみましょう。
     同時多発テロを知らない多くの若者たちに
     この絵本は静かに問いかけているように感じます。

    投稿日:2023/09/17

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