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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい おとなのあなたに読んで欲しい絵本   投稿日:2025/09/28
さんにんだけの ないしょの はなし
さんにんだけの ないしょの はなし 絵・作: スージィ
出版社: BL出版
読書の普及の推進で文化の向上と社会の進展に寄与する目的で結成された読書推進運動協議会は、
 毎年成人の日と敬老の日に合わせて、「読書のすすめ」というリーフレットを作成しています。
 2025年の「敬老の日読書のすすめ」の中の一冊として紹介されていたのが、
 スージィさんの『さんにんだけのないしょのはなし』。
 リーフレットで「関西弁ではずむ三人の会話とファンタジックな絵が魅力」と紹介されていて、
 これは第40回日産童話と絵本のグランプリ絵本大賞受賞作品で、つまり絵本ですが、
 絵本だといって子供だけが読むものでもなく、
 ましてやこの絵本の登場する三人の女性はすっかり老女なのです。
 つまり内容は大人の、それもシニアの人の心にぴったりとはまる絵本なのです。

 みっこちゃん、トラちゃん、タエちゃんは幼馴染の仲良し。
 今はお年寄りのための家で暮らしています。
 そんな三人がある日、庭を抜けて竹林の中に入っていきます。
 この竹林の絵を「日本画を思わせる」と絵本作家の黒井健さんは評していますが、
 竹林だけでなく作者のスージィさんが草花を描く力量はしっかりしていて、
 そのあたりも大人の読者を満足させるでしょう。

 竹林を抜けると、なんと三人は懐かしい子供の頃に戻っています。
 三人が体験したのは夢でしょうか。
 もしかしたら、誰もがそんな竹林をもっていて、懐かしい子供時代に戻れることができるのかもしれません。
 そんなことを気づかせてくれる、そんな絵本です。
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自信を持っておすすめしたい みんなが好きなアンデルセンってこんな人   投稿日:2025/09/14
まるでむかしばなしのような ハンス・クリスチャン・アンデルセンの一生
まるでむかしばなしのような ハンス・クリスチャン・アンデルセンの一生 作: ジェイン・ヨーレン
絵: ブルーク・ボイントンーヒューズ
訳: 福本 友美子

出版社: 岩崎書店
アンデルセンは子供の頃には必ず耳にする名前です。
 正式には「ハンス・クリスチャン・アンデルセン」、
 1805年デンマークに生れた童話作家です。
 日本でいうと江戸時代、徳川家斉が将軍だった頃の人となります。
 彼の代表的な作品をあげると、
 「みにくいあひるの子」「マッチ売りの少女」「はだかの王さま」、
 まだまだあって生涯つくったお話は150話以上。
 しかも、アンデルセンはそのほとんどを自身が創作した作家です。

 彼の作品は今でも読まれ、愛されていて
 その証拠にこの『まるでむかしばなしのような―ハンス・クリスチャン・アンデルセンの一生』のように
 彼の生涯がどんなものであったかを描く絵本が生まれています。
 しかも、文を書いたジェイン・ヨーレンさんも
 絵を描いたブルーク・ボイントン・ヒューズさんもアメリカ在住の人ですから、
 いかにアンデルセンが世界中で愛されているかがわかります。

 アンデルセンが亡くなるのは1875年。
 70年の生涯で愛した女性もいたようですが、結局独身のままでした。
 この絵本の巻末に解説にような短い文章が載っていますが、
 その最後の一節「ハンスは1875年に自宅で孤独のうちになくなった」とあって、
 それこそ、「まるでむかしばなし」のような終わり方です。
 この絵本でアンデルセンに興味を持った人は、
 もう少し詳しい伝記なりを手にするといいでしょう。
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自信を持っておすすめしたい けっこうこわい、でも笑える   投稿日:2025/09/07
さがしえほん こわい浮世絵 おばけやしき
さがしえほん こわい浮世絵 おばけやしき 編集: 講談社
監修・解説: 太田記念美術館

出版社: 講談社
現在放映中のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」は
 江戸時代中期に活躍した版元の蔦屋重三郎を描いた物語で、
 彼が関わった浮世絵師喜多川歌麿なども登場し、
 江戸時代の華やかな浮世絵文化が興味深く描かれています。
 ドラマのオープニングクレジットにさまざまな浮世絵が使われていて、
 中にはこの絵本『さがしえほん こわい浮世絵おばけやしき』で紹介されているような
 妖怪やおばけもあったりします。
 浮世絵というと歌麿の「美人画」や東洲斎写楽の「役者絵」、
 あるいは葛飾北斎の「冨獄三十六景」などがすぐに頭に浮かびますが、
 実はそれだけでこの絵本に紹介されているように「こわい浮世絵」もたくさんあります。

 この絵本は浮世絵専門美術館として有名な「太田記念美術館」が解説・監修をしていて、
 子供だけでなく大人も楽しめる(勉強できる)ようにできています。
 浮世絵に展開されているおばけや妖怪たちをさがすだけでなく、
 浮世絵がどのような手順でできあがっているのかもわかりやすく解説されています。

 それにしても江戸時代の人たちは、こんな怖い(ときには面白い)浮世絵を
 どのように楽しんだのでしょう。
 暑い夏の夕暮れ、縁台で涼みながら、「おい、見てみなよ、怖いだろ」みたいなやりとりがあったのかも。
 「美人画」や「役者絵」よりもずっと庶民の暮らしに近かったように思えます。
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自信を持っておすすめしたい あなたならどんな家に住みたいですか   投稿日:2025/08/31
ぼくのいえ
ぼくのいえ 作: 鈴木 のりたけ
出版社: PHP研究所
鈴木のりたけさんといえば、
 ここ数年のベストセラー本となった『大ピンチずかん』シリーズの作家で
 今のりにのっている絵本作家のひとりです。
 この『ぼくのいえ』もタイトルに「ぼくの」とついたシリーズの第6弾にあたり、
 奇想天外な「いえ」の数々に大笑いする絵本に仕上がっている。
 しかも、物語の展開で、絵の中にいる動物をさがすという絵本で人気の高い絵探しの要素もあったりして、
 子供たちを(もちろん大人もそうだが)楽しませる工夫が満載だ。

 本文だけでなく、表紙と裏表紙の見返しには、ユニークな「いえ」がたくさん並ぶ。
 川にかかる橋が家になっている「いえばし」、冷蔵庫みたいな「さむいえ」、
 砂時計みたいな「すなどけいえ」、などなど、と書いてはみたが、
 やはり鈴木さんの絵がないと面白さは伝わりにくい。
 それほど、鈴木さんの絵は面白いということだ。
 そして、できれば、読者も奇想天外な「いえ」を考えてみるのも楽しいだろう。
 それこそ、「ぼくのいえ」になるが、鈴木さんのような発想ができるか。

 観察こそ着想のヒントになるのではないだろうか。
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自信を持っておすすめしたい ひまわりってどこか昭和的   投稿日:2025/08/24
ひまわり
ひまわり 文・絵: 荒井 真紀
出版社: 金の星社
最近、街なかでひまわりをあまり見かけないように思える。
 子供の頃は街のあちらこちらで咲いていた記憶があるが。
 昔の歌謡曲にも「ひまわり娘」(伊藤咲子)とか「ひまわりの小径」(チェリッシュ)とか、
 ひまわりがたくさん歌われていた。
 代表的な昭和の花のひとつだろう。

 そんなひまわりがどんなふうに成長し、花を咲かせるかをとてもきれいな細密画の絵本に仕上げたのが、
 荒井真紀さんの『ひまわり』だ。
 専門家である高橋秀男さんの監修を受けたこの絵本は、
 夏休みの自由学習などにももってこいかもしれない。
 もちろん、この絵本は参考図書で、ちゃんと自分で観察しないといけないが。

 圧巻なのは、ひまわりの種を見開き2ページでずらりと並べた場面。
 一本のひまわりから2000個以上の種がとれるそうで、
 該当のページにどれだけの種が描かれているかわからないが、
 とにかくすごい。
 これだけの種をつくるひまわりもすごいが、それだけの種を描く荒井さんはもっとすごい。
 そういえば、子供の頃はそうしてできた種を次の夏まで大事にとっておいたものだ。
 ひまわりって、太陽の方を向くといわれるが、
 本当は未来の方を向いている花なんだろう。
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自信を持っておすすめしたい 私たちを育ててくれる大きな木   投稿日:2025/08/17
きつねの木
きつねの木 作: 石川 えりこ
出版社: 講談社
絵本作家にもお気に入りの人がいます。
 なので、その人の作品を見つけたら読むようにしています。
 そんなお気に入りの絵本作家のひとりが、石川えりこさん。
 おそらく同世代の人で、だからだろうか、余計に石川さんの描く作品が醸し出す匂いが好きです。
 例えば、『ボタ山であそんだころ』や『かんけり』といった絵本など、
 どことなく昭和30年代の匂いがします。

 この『きつねの木』は、2025年4月に出た石川さんの新しい絵本。
 一本の大きな木に命の尊さを託した、壮大な物語。
 こぎつねが両親のもとを離れて向かったのは一本の大きな木。
 そこでこぎつねたちは虫や動物や鳥たちと出会い、季節の移ろいを知ります。
 木は雨の日も風の強い日もこぎつねたちを守ってくれる。
 いつしかこぎつねたちも大きくなって、
 この木のもとを離れることになります。
 そして、時が過ぎ、おとなになって木のもとに帰ってきます。
 今度は小さな子供たちをつれて。

 人生も後半にさしかかって、石川さんにどんな思いがよぎったのでしょう。
 自分の人生もまた、この木のようなものに育てられたのかもしれない。。
 「昭和100年」「戦後80年」、それこそ私たちの「きつねの木」なのでしょう。
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自信を持っておすすめしたい 戦後80年を迎えるにあたって読んでおきたい絵本   投稿日:2025/08/10
ちいちゃんのかげおくり
ちいちゃんのかげおくり 作: あまん きみこ
絵: 上野 紀子

出版社: あかね書房
児童文学者あまんきみこさんが1982年に刊行した絵本『ちいちゃんのかげおくり』は、挿絵を担当した上野紀子さんの描く女の子のはかない表情があまりにも心にささってきます。
 物語の舞台は身体の弱い父親さえも兵隊に徴兵されるようになった戦争末期の私たちの国。主人公のちいちゃんはまだ小さい女の子。やさしいお兄さんがいます。
 お父さんが出征する前の日、お母さんとお兄さんとちいちゃんで「かげおくり」という遊びをします。
 「かげおくり」というのは、「かげぼうしをじっと見つめて、しばらくして空を見上げると、かげぼうしがそっくり空に写ってみえる」そんな遊びです。
 ちいちゃんたちは記念写真みたいに空に写った家族4人の「かげぼうし」を楽しみます。

 しばらくはちいちゃんとお兄さんは「かげおくり」で遊べましたが、やがて戦争が激しくなってもう空は以前の青空ではなくなりました。
 そして、町に空襲が始まりました。
 ちいちゃんの住む町にも爆弾が落ちてきて、ちいちゃんはお母さんとお兄さんとで逃げます。でも、ちいさなちいちゃんはお母さんたちとはぐれてしまいます。

 それでもちいちゃんは元あった自分の家でお母さんたちを待ちます。
 待っても待ってもお母さんたちは帰ってきませんでした。
 そして、ちいちゃんもまた夏の朝、お母さんたちの「かげぼうし」を追うように空に昇っていくのです。

 戦争で亡くなったたくさんのいのち。
 今でも世界のあちらこちらで行われている戦争で、ちいさな命が失われています。
 この絵本が私たちに伝えようとしている思いをどうか世界中に広がりますように。
 そして、今でも忘れることなく、この絵本が読まれますように。
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自信を持っておすすめしたい すいか大好きなみんな、集まれ!   投稿日:2025/08/03
すいかのたね
すいかのたね 作: 押本達希
出版社: ブロンズ新社
すいか。漢字で書くと、西瓜。
 夏を代表する果物、と思われがちですが、
 すいかは果物ではなく、分類的には漢字でわかるように、ウリ科の野菜。
 それに、すいかは俳句の世界では秋の季語。
 「風呂敷のうすくて西瓜まんまるし」、右城暮石の俳句のように
 昭和の時代、風呂敷にくるんで手土産にした人もいたのでしょう。
 縁台に並んですいかの種の飛ばしっこみたいな風景も
 今では都会ではほとんど見ることもありません。
 それでも、今でもすいかが人気なのは、やはり縞模様のはいったあのまんまるな形のせいかも。

 すいかには種があります。
 実をかじって、そのあとでうまく種を飛ばす人もいれば、
 食べる前に指先でうまく種を取り除く人もいて、
 その巧みさに小さい頃感心したものです。
 そんなすいかのたねで愉快に遊んでみたのが、
 押本達希さんの絵本『すいかのたね』。
 12個並べたすいかの種の「ひとつだけよこ」を向いた種の絵とか
 おたまじゃくしたちと一緒に泳ぐ種とか
 音符の中にまざりこんだりトランプのカードの絵柄にこっそり忍びこんだり、
 絵本まるまる、すいかの種探し。

 遊び心満載のこの絵本、もしかしたらおいしさのしるしのあの音が聞こえるかも。
 ぽんぽん、って。
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自信を持っておすすめしたい 藤野千夜さんの児童文学   投稿日:2025/07/29
ぼく、バカじゃないよ
ぼく、バカじゃないよ 著: 藤野 千夜
出版社: 理論社
『団地のふたり』や『じい散歩』で人気が高まる藤野千夜さんが
 2025年5月に出した『ばく、バカじゃないよ』は、ちょっとホロッとする児童文学。
 藤野さんと児童文学の取り合わせは意外な感じでしたが、
 そういえば藤野さんの文体はやさしいから、子供たちにもわかりやすいのではないだろうか。

 物語の主人公は5歳の男の子、とっちゃん。
 とっちゃんはお父さんとお母さんと弟の3歳のひーくんと暮らしています。
 とっちゃんは家ではとっても強いのですが、外の世界とはなかなかなじめない、
 そんな不器用な子供です。
 お母さんは時にとっちゃんに怒ることもありますが、それでもやさしいお母さんだし、
 お父さんもとっちゃんには甘い。
 時々とっちゃんの家に来るおばあちゃんはいつも「とっちゃんは、かしこいね」とほめてくれます。

 そんなとっちゃんですが、ある時幼稚園で「バカ」といわれてしまいます。
 とっちゃんは幼稚園でもなかなか挨拶もできないし、なかなかみんなと遊ぶこともできないので、
 そんなふうにいわれてしまうのです。
 それで、とっちゃんはお母さんに「ぼく、バカなの?」と訊いてしまいます。
 きっとお母さんはとっても悲しかったでしょう。
 人を傷つける言葉は、その人だけでなく、その人を愛する周りの人たちも悲しくさせます。

 おばあちゃんはそんなとっちゃんに「とっちゃんはかしこい」といいます。
 そして、できない時には人に助けてもらえばいいと教えてあげます。

 子供たちにも読んでもらいたい一冊です。
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自信を持っておすすめしたい 最後のページのメッセージ   投稿日:2025/07/27
うえをみて!
うえをみて! 作: チョン ジンホ
訳: 斎藤 真理子

出版社: ハッピーオウル社
 韓国の絵本作家チョン・ジンホさんの絵本『うえをみて!』は、
 よく見かける絵本とは少し違う判型をしている。
 A4変型、高さ30センチとある。
 ちょうどスポーツタオルの幅ぐらいだろうか、長さが半分で。
 変型ではあるが、それがこの絵本にはあっている。
 建物の上階から下の歩道を見下ろしている構図がずっと続く。
 見ているのは、スジという子ども。

 スジは家族旅行の途中で、車のタイヤがとれる事故にあい、歩けなくなった。
 だから、下の歩道にはなかなか降りられない。
 スジがみている世界は、まるでアリの世界。
 「まっくろあたまがみえるだけ。」
 歩道を歩く人は上から見ているスジに気がつかない。
 だから、「うえをみて!」。

 ある時、ひとりの人がスジに気がついてくれる。
 で、歩道に寝転んでくれた。
 スジはあたまだけでなく、人全体がようやく見れた。
 しだいに歩道には寝転がっている人が増えていく。
 みんな、上で見ているスジのため。
 ここまではモノクロの世界。

 上階から見下ろす構図は変わらないが、最後に少し色がつく。
 歩道の植木にピンクの花が咲き、色とりどりの風船の束。
 よく見ると、車椅子があって、その横に親子がいる。
 これって、スジ?
 最後のページにある希望の色を見つけて下さい。

 訳は韓国語の人気翻訳者、斎藤真理子さん。
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