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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい この夏、宮沢賢治が読みたくなります   投稿日:2025/07/16
銀河の図書室
銀河の図書室 著: 名取佐和子
出版社: 実業之日本社
 『銀河の図書室』(作 名取佐和子)は、この夏の第71回青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」の「高等学校の部」に選ばれた1冊。
  「課題図書」に選ばれた「選定理由」によると「先輩の不登校の謎にせまるため、宮沢賢治の作品を読み解く過程に賢治へのオマージュが込められ、登場人物たちそれぞれが抱えている背景から、さまざまな角度の読書感想文が期待できる。」とあります。

 主人公は高校2年の高田千樫、通称チカ。彼は友人の石館恭平、通称キョンヘと二人だけの高校のイーハトー部の部員。
 入学式のあとの新入生の部活の勧誘の場面から物語は始まります。
 すぐさま入部してきたのは、増子耶寿子、自らマスヤスという呼び名を申告するほど活発の女の子。
 で、イーハトー部でどんな同好会かというと、宮沢賢治の作品を読んだりするもので主な活動の場は図書室。
 実はこの部に3年生の風見君がいるが、チカに「ほんとうの幸いは遠い」というメッセージを最後に不登校になっている。

 風見先輩を慕うチカは、先輩がどうして不登校になったのか、そしてあのメッセージの意味はと問い続ける。
 といっても、この物語はミステリー、謎解きではない。
 主人公たちそれぞれが持っている悩みや秘密が、宮沢賢治の作品を媒介にして明らかになっていくが、それこそ青春を生きる若者たちが多かれ少なかれ持っているものだろう。
 だから、彼らに共感し、そして癒されていく。

 宮沢賢治の作品だけでなく、中高生に読んでもらいたい本もさりげなく紹介されていたりして、夏の読書のガイドブックとしてもうれしい一冊。
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自信を持っておすすめしたい わかりあえば、みんな友だち   投稿日:2025/07/13
ライオンのくにのネズミ
ライオンのくにのネズミ 作: さかとく み雪
出版社: 中央公論新社
この夏の第71回青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」の「小学校低学年の部」に選ばれた1冊。
 「課題図書」に選ばれた「選定理由」によると「柔らかな色使いだがインパクトのある絵、現代のグローバル社会を生きる子どもたちにふさわしい内容で、低学年の児童が友だちとの関わりを考えることができる。」とあります。
 「書店員が選ぶ絵本新人賞2024」大賞受賞作でもあるこの本は絵本ですから、低学年の子供たちにとって読みやすいと思います。

 ただし、描かれている内容はとても考えさせられます。
 「寓話」という言葉を聞いたことがあると思います。「教訓的な内容を、他の事項に例えて表したお話」のことで、「イソップ物語」などがその典型です。
 さかとくみ雪さんの『ライオンのくにのネズミ』も寓話物語といえます。
 お父さんの仕事の都合で、ライオンの国の学校に通うことになったネズミくん。
 みんながライオン語を話すし、声も大きい。習慣も違う。
 それになんだかネズミ君を狙っていそう。
 そんな中、ネズミ君はリスの女の子と仲良くなって、二匹でついにライオン君と対決することになる。しかも、サッカーの試合で。
試合を通じて、ライオンと打ち解けあうことになるネズミ君たち。
 おしまいのページには、ネズミ君たちの姿は人間の子供たちに変わっていて、作者がこの作品を通じて伝えようとしていたことがよくわかります。

 私たちが住むこの地球にはライオンもいるし、ネズミもリスもいる。互いに分かりあうことで、とっても住みやすくなるはず。
 これはそんな絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 新しいシリーズのはじまりです   投稿日:2025/07/06
新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに
新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに 作: きむら ゆういち あべ 弘士
出版社: 講談社
きむらゆういちさん作、あべ弘士さん絵による絵本『あらしのよるに』が初めて出版されたのは、
 1994年のことですから、もう30年も前のことになります。
 当初単刊の絵本の予定だったそうですが、あまりにも人気となり、
 その後シリーズ化されることになります。
 また小学校の教科書に採用されたり、アニメ化されたりと
 どれだけの子供たちや大人たちがその世界観にはまったことでしょう。

 あれからいろんなことがあって、今は緑の森で二匹で暮らすカブとメイ。
 ある時、カブが怪我をします。メイは一生懸命看病をするのですが、
 何故かメイは時々どこかに行ってしまいます。
 不思議に思ったカブが後をつけると、メイは母リスをイヌワシに連れ去られた子リスの世話をしているのでした。
 こうして二匹に子リスを加えた新しい物語が始まります。

 新シリーズのまだ初めの1冊め、物語はこれからです。
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自信を持っておすすめしたい バラクラバは目だし帽のこと   投稿日:2025/07/02
バラクラバ・ボーイ
バラクラバ・ボーイ 作: ジェニー・ロブソン
訳: もりうち すみこ
絵: 黒須 高嶺

出版社: 文研出版
この夏の第71回青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」の「小学校中学年の部」に選ばれた1冊。
  「課題図書」に選ばれた「選定理由」によると「転校生を迎える、という身近な体験を描いており、意外な転校生へのクラスの驚きから笑顔になるまでの構成、学校生活の面白さ、文化の違い、世界で共通する友情等を知ることができる。」とあります。
 作者のジェニー・ロブソンさんは南アフリカ共和国で生まれて教師として働きながら執筆活動とした人だということですから、この物語に登場する小学4年生の子供たちの姿などは色濃く反映されているのでしょう。
 だから、どの子も生き生きとしています。

 ある日、小学4年のクラスに転校生がやってきます。
 ところが、この子、何故かバラクラバをかぶって顔がわかりません。
 実はこの本のタイトル『バラクラバ・ボーイ』にもある「バラクラバ」ってあまり馴染みがないので説明がいるかもしれません。
 本では黒須高嶺さんのさし絵がついていますから、その形状はわかるかと思います。
 文章で書くと、「頭から顔、首までを覆う防寒具」のことで、一般的には「目だし帽」と呼ばれるそうです。
 なので、タイトルを日本語訳すれば「目だし帽少年」かな。

 さすがに転校生が「目だし帽」をかぶったままだと、クラスの子供たちは大騒ぎします。帽子の中はどうなっているの、どうして学校はそれを認めているの、子供たちがその謎を解くためにあれやこれやしていきます。
 そして、いつの間にこの謎の転校生とも仲良くなっていく物語。
 自分たちの世界に入ってきた異なるものをどう受け止めるか、これはみんなで考えてみたい一冊です。
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自信を持っておすすめしたい 絵本でわかるやなせたかし   投稿日:2025/06/29
やなせたかし物語 なんのために生まれて なにをして生きるのか
やなせたかし物語 なんのために生まれて なにをして生きるのか 絵・作: やなせスタジオ
出版社: フレーベル館
NHKの「連続テレビ小説」(通称 朝ドラ)の、第112作めとなる2025年前期の作品が、
 漫画家やなせたかしさんとその妻小松暢さんをモデルにしたものと決まってから、
 とても楽しみにしていました。
 やなせさんが94歳で亡くなったのは2013年秋のこと(暢さんは1993年74歳で死去)で、
 ドラマ化が決まった時点ではすでにやなせさんの自伝であったり評伝が数多く出ていて、
 やなせさんの人生はすでにファンの人には知られていたはずです。
 それでも、それが半年も続く朝ドラでどう描かれるのかとても気になりました。

 そして、放送が始まると、書店ではすでに出版されていたやなせさんの本だけでなく、
 あらたに新しいやなせさん関連本が並ぶようになりました。
 この『やなせたかし物語』も2025年5月に出た、子供向けの絵本です。
 出版社はやなせさんとの縁が深いフレーベル館。
 やなせさんの代表作である「あんぱんまん」の絵本を出している出版社です。
 作・絵はやなせスタジオとなっていて、絵はやなせさんの絵のタッチそのままです。
 やなせさんは漫画家としてなかなか芽が出ませんでしたが、
 絵のタッチにやなせさんの個性が出ているのですから、やはり唯一無二の漫画家だったといえます。

 この絵本を読めば、やなせたかしという人がどんな人生を歩いてきたかがよくわかります。
 それでもっと深く知りたいと思えば、今なら大人の読者向けに書かれた本がたくさん出ているので、
 本屋さんや図書館に足を向けるといい。
 きっと素敵なやなせたかしさんに出会えます。
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自信を持っておすすめしたい 向田邦子のエッセイも哲学!?   投稿日:2025/06/27
中学生までに読んでおきたい哲学(1) 愛のうらおもて
中学生までに読んでおきたい哲学(1) 愛のうらおもて 編: 松田 哲夫
案内人: 南 伸坊

出版社: あすなろ書房
「哲学」という言葉に、どんな印象を受けますか。
 眉をひそめ、難しい顔をして悶々としている姿とか
 日本の有名な哲学者西田幾多郎が毎朝歩いて思索にふけったという「哲学の道」とか、
 ロダンの彫刻「考える人」も哲学っぽい。
 調べると、「生活のなかで疑問に感じたことや身の周りにある問題について
 自分なりの“問い”を立てながらこだわって考えをつきつめていく学問のこと」と出てくる。
 そんな「哲学」を中学生までにしっかり学んでおきたいというシリーズがある。
 それが、松田哲夫さん編集の『中学生までの読んでおきたい哲学』全8巻。
 そこにもしっかり、「考えることを楽しもう!」と謳われている。

 第1巻の「愛のうらおもて」に収録されている作品は、
 まずは向田邦子の「ゆでたまご」。
 えっ!? 向田邦子さんのエッセイも哲学?
 太宰治の「満願」とか森鴎外の「じいさんばあさん」、倉橋由美子の「血で染めたドレス」といった短編、
 寺山修司とか坂口安吾、さらにが幸田文とか佐野洋子といった人のエッセイもある。
 驚きは、落語。ここでは桂文楽の「厩火事」が収録されている。
 えっ!? 落語って考えるのではなく、笑うものではなかった?

 つまり、この世界、実は「哲学」であふれているということかしら。
 まずは、自分の頭で「愛」について考えてみよう。
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自信を持っておすすめしたい 朝ドラ副読本として読もう   投稿日:2025/06/24
ぼくは戦争は大きらい
ぼくは戦争は大きらい 著: やなせ たかし
出版社: 小学館クリエイティブ
NHKの「連続テレビ小説」(通称 朝ドラ)の第112作めとなり「あんぱん」は、
 「アンパンマン」の作者やなせたかしさんとその妻小松暢(のぶ)さんをモデルにしたドラマ。
 実際の人物がモデルだが、例えばこの二人の出会いが終戦後の仕事場であったのを、
 幼馴染に設定するなどドラマとして脚色がほどこされている。
 脚本を担当しているのは、「花子とアン」などのヒットメーカーである中園ミホさん。
 さすがに巧みである。

 やなせさんは1919年生まれ、暢さんも1918年生まれだから、ともに戦争を体験している。
 ましてや、やなせさんはのちに「アンパンマン」というヒーローを生み出す、そのきっかけにもなった戦争体験であるから、
 ドラマでもその時代を避けて通ることはできない。
 ドラマで放送された軍隊生活は実際どうであったのか、気になるところだ。

 実はやなせさんには自身の戦争体験だけをまとめた本がある。
 それが、この『ぼくは戦争は大きらい』。
 やなせさんへのインタビューをまとめたもので、
 インタビューしたのはやなせさんが亡くなる数か月前の、2013年春のこと。
 やなせさんはその年の10月13日、94歳で亡くなっている。
 そんなやなせさんがどうして戦争の話をする気になったか、
 それは若い世代にきちんと伝えておかないといけないという思いだった。

 ドラマにも出てくる紙芝居を作成する話(紙芝居の物語も双子の話でドラマはこれを踏襲)やタンポポの根を食べたりする話は、
 この本の中にも出てきてやなせさんの実体験のようだ。
 今年(2025年)は戦後80年。
 やなせたかしさんという漫画家の体験を通して、もう一度戦争を振り返ってみるのもいい。
 そして、いいたい。「ぼくたちも戦争は大きらい」と。
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自信を持っておすすめしたい 子どもたちにきれいな地球を残してあげたい   投稿日:2025/06/22
たった2℃で… 地球の気温上昇がもたらす環境災害
たった2℃で… 地球の気温上昇がもたらす環境災害 文: キム・ファン
絵: チョン・ジンギョン

出版社: 童心社
この夏の第71回青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」の「小学校中学年の部」に選ばれた1冊が、キム・ファンさんが文を書き、チョン・ジンギョンさんが絵を描いている『たった2℃で…』という作品。
 「課題図書」に選ばれた「選定理由」によると、「読者にとって自分ごとになるよう、身近な話題から、地球環境の問題を取り上げている。タイトルや目を引く絵もインパクトがあり、児童が自ら考えることができるメッセージ性も評価された。」とある。
 この本は絵本としてジャンルされるだろうが、決して幼児向けではない。小学校中学年だけでなく、それより上級学年の人にも読んで欲しいし、さらにいえば、若い世代に未来を託すことになる大人の人にもぜひ読んでもらいたい作品だ。

 どんな内容かというと、副題にあるように「地球の気温上昇がもたらす環境災害」を描いた作品だ。
 冒頭にこうある。
 「気温がますますあがってきている。地球が病気で「熱」がでているんだって。」
 もちろん、これは子供向けにわかりやすく書かれた言い回しだが、実際地球温暖化の影響で多くの生態系が破壊されている。
 この絵本では魚たちや動物たちが温暖化の影響で絶滅の危機に瀕していることを、とてもわかりやすく説明している。

 この絵本は韓国の作家たちによって書かれたものだということも覚えていたい。
 今や地球温暖化は全世界の問題になっていることを、そして韓国の作家たちも声をあげていることを。
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自信を持っておすすめしたい 絵本で動物たちと出会えます   投稿日:2025/06/15
ライオンのあしたのいちにち
ライオンのあしたのいちにち 絵・作: あべ 弘士
出版社: 佼成出版社
動物園に久しく行っていません。
 子供が小さい頃に何度か行きましたが、大きくなるとなかなか行く機会がありません。
 それでも動物園に行きたくなったら、あべ弘士さんの絵本があれば、動物たちをと会える楽しみが生まれます。
 なので、動物園に行く機会が少なくなった大人たちはあべさんの絵本で動物園の楽しみを思い出すといい。
 動物園で見たライオンも象もキリンもカバも、なんてドキドキさせてくれたことでしょう。

 あべ弘士さんの『ライオンのあしたのいちにち』は、子供たちとの散歩が大好きな父さんライオンが、散歩の途中でダチョウや、ジェレヌク、キリンに出会う姿を描いています。
 その他にもアフリカの色々な動物が点景として描かれていて、あべさんの魅力が堪能できます。
 なかでも、ジェレヌク。
 実はこの絵本を見るまで知らなかった動物です。別名キリンカモシカとかいうそうですが、この絵本の中で「いつのひか、キリンになるの」なんていうセリフがあったりします。
 動物園でもなかなか見ることはできないのではないかしらん。

 この父さんライオンは俳句好きというから面白い。
 「こどもらと そよかぜまくらに ひるねかな」なんて、なかなか洒落た一句です。
 こんなユニークなお父さんに育てられた子供たちは幸せです。
 きっと、今日もアフリカのどこかを散歩していることでしょう。
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自信を持っておすすめしたい これであなたもとうもろこし博士?   投稿日:2025/06/08
みっちりつぶつぶ とうもろこし
みっちりつぶつぶ とうもろこし 絵・作: いわさ ゆうこ
出版社: 童心社
とうもろこしは、子どもたちが大好きな野菜(イネ科)ですが、家庭菜園で栽培するのは結構難しい。
 というのも、いわさゆうこさんの絵本『みっちりつぶつぶ とうもろこし』にもちゃんと描かれていますが、とうもろこしはたくさん植えないとなかなか受粉しないことがあります。つまりは、「みっちりつぶつぶ」の実にならないのです。
 それと、アワノメイガという天敵の害虫がいます。この害虫対策も必要になります。
 そんなトウモロコシですが、やはりずっしりと重い一本を手にすると、これほどうれしいことはありませんし、採れたてを茹でると色鮮やかになる(ちょうどこの絵本の表紙のとうもろこしのような)のは感動ものです。

 いわさゆうこさんの「どーんとやさい」シリーズは、その写実的な絵のうまさだけでなく、取り上げられる野菜の知識も本格的ですから、子どもたちの野菜への興味も高まります。
 とうもろこしを描いたこの絵本でも、絵本の中ではわかりやすく「雄花」「雌花」と記されていますが、正確には「雄穂(ゆうすい)」「雌穂(しすい)」ということが説明されていたりします。
 また、茎の先端にできた雄花から茎の途中にできた雌花とどう受粉していくのか、それがどう「つぶつぶ」になっていくのかも、きちんと説明されています。
 さらには、「レッドコーン」や「シルバーコーン」といったたくさんの品種の紹介もあったりして、この絵本を読めば、きっとあなたも「とうもろこし博士」になれるかも。
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