NHKの「連続テレビ小説」(通称 朝ドラ)の第112作めとなり「あんぱん」は、
「アンパンマン」の作者やなせたかしさんとその妻小松暢(のぶ)さんをモデルにしたドラマ。
実際の人物がモデルだが、例えばこの二人の出会いが終戦後の仕事場であったのを、
幼馴染に設定するなどドラマとして脚色がほどこされている。
脚本を担当しているのは、「花子とアン」などのヒットメーカーである中園ミホさん。
さすがに巧みである。
やなせさんは1919年生まれ、暢さんも1918年生まれだから、ともに戦争を体験している。
ましてや、やなせさんはのちに「アンパンマン」というヒーローを生み出す、そのきっかけにもなった戦争体験であるから、
ドラマでもその時代を避けて通ることはできない。
ドラマで放送された軍隊生活は実際どうであったのか、気になるところだ。
実はやなせさんには自身の戦争体験だけをまとめた本がある。
それが、この『ぼくは戦争は大きらい』。
やなせさんへのインタビューをまとめたもので、
インタビューしたのはやなせさんが亡くなる数か月前の、2013年春のこと。
やなせさんはその年の10月13日、94歳で亡くなっている。
そんなやなせさんがどうして戦争の話をする気になったか、
それは若い世代にきちんと伝えておかないといけないという思いだった。
ドラマにも出てくる紙芝居を作成する話(紙芝居の物語も双子の話でドラマはこれを踏襲)やタンポポの根を食べたりする話は、
この本の中にも出てきてやなせさんの実体験のようだ。
今年(2025年)は戦後80年。
やなせたかしさんという漫画家の体験を通して、もう一度戦争を振り返ってみるのもいい。
そして、いいたい。「ぼくたちも戦争は大きらい」と。