
おいしそうなシチューのにおいをかぎつけた きんじょのひとたちが、つぎつぎにアーモのアパートにやってきた。そのひとりひとりに きまえよくシチューを わけてあげたのだけど……。アーモ、そんなにあげちゃって だいじょうぶ?
作者オーゲ・モーラの両親はナイジェリア出身で、イボ語が母語でした。「アーモ」は「女王」という意味です。オーゲにとっては「おばあちゃん」をよぶときのことばでした。おばあちゃんは、大きなお鍋をまぜながら、ラジオの音楽に合わせて楽しそうに体を揺らしていたそうです。お鍋の中身はたいていシチュー。夕食の時に近所のひとが来れば、一緒にいかがと誘いました。そうした思いやりや愛にみちた精神が、この本のもとになりました。

おしゃれな貼り絵絵本にうっとりしてしまいました。そしてその貼り絵の醸し出すシチューのなんとも言えない良い香りに、自分も誘われるような絵本です。
アーモ(女王というイボ語)にも、思いを込めて、作者がおばあさんのシチューがどんなに好きだったか、誰にでも愛される人だったか、思い起こさせる内容です。
人に対する施しは、感謝をもって自分に帰ってくる、「情けは人のためならず」ですね。
女性のお巡りさんが印象的です。描かれているのはナイジェリアの街並みでしょうか。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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