あなたはよつばを見つけたこと、ある?
もんしろちょうから聞いたよつばの秘密のお話、こっそり教えてあげる。
「あれ? きみの はっぱは ぼくと ちがうみたい」
「あたしたち、みんな さんまいよ」
みんなと違うからと、ひとりぼっちになってしまったよつばの子。でも、よつばの子は自分ではよくわからない。そんなある日、もんしろちょうがふわりとやってきて、言います。
「あら、あなたの はっぱ、かわいい。おはなみたい」
水たまりにうつった自分の姿を見たよつばの子は、(ああ、とっても かわいい)と心から思い、嬉しくなったのです。よつばの子にはあたたかな笑顔が浮かんでいます。すると、ふしぎなことが起こります。よつばの子のまわりには、友だちがどんどん集まってきて……。
よつばを見つけるのが得意な女の子をとおして語られる、しろつめくさのふんわり優しいお話。よつばの子の気づきをきっかけに、他の子にもだんだん自分の不安が見えてきて、それでも少しずつ自分が好きになっていくのです。淡い色彩で、はかなげな雰囲気で描かれるしろつめくさの原っぱだけれど、そこはいつも笑顔でいっぱい。一面に生えているしろつめくさの葉っぱを眺めながら、私たちはいつでもその話を思い出すことができるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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