
ある夜、さなぎから成虫になって外の世界へと飛び出した「なのかゼミ」。初めて見る世界の美しさに感動していると、そこにひょっこり現れたのは、真っ白でちょっとへんてこりんな「おばけゼミ」! 「ぼくたちのいのちは、たったの7日(なのか)なんだよね…?」と問いかけるなのかゼミに、おばけゼミは、おばけだから、ずーっと生きるんだ! と答えます。 さらに次の日、なのかゼミが出会ったのは、とっても立派な「ハンサムゼミ」。彼は、あと1日しか生きられないから、最後まで命を使い切りたいと、力いっぱい鳴いていました。
成虫になってからの時間が短いことで知られるセミの一生になぞらえながら、「生きる時間」について深く考えさせてくれる、ちょっぴり哲学的な一冊。 おばけゼミのように長く世界を楽しむ生き方も魅力的だし、ハンサムゼミのように残された時間を精一杯生きる姿もかっこいい。はたしてなのかゼミは、自分の短い命をどんな風に過ごすのでしょうか?
楽しくて親しみやすい絵で描かれているので、小さなお子さんから大人まで、幅広い年齢の方が楽しめるでしょう。親子で一緒に読んで感想を交換してみるのもおすすめです。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

土から出てきたなのかゼミは、初めて見る世界の美しさに感動を覚える。 すると、お化けのようなセミが近づいてきた。 彼のように寿命がなく毎日を楽しく生きる姿に羨ましさを感じるが、ある疑念が生まれた。 そんな中、ハンサムなセミとの出会いで、なのかゼミに新たな感情が芽生える。 果たしてなのかゼミはどのような7日を過ごすのだろうか。
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