日本の中で、「ここに行ってみたい!」という場所はありますか?
本作は、北は北海道から南は沖縄まで、日本の美しい名所を「鳥瞰図(ちょうかんず)」という技法でダイナミックに描いたイラスト絵本です。「鳥瞰図」とは、空を飛ぶ鳥の目から見たように、上空からななめに見下ろした図のこと。建物や地形が立体的に描かれているため、ページをめくるたび、その土地の景色が生き生きと目に飛び込んできます。
紹介されているのは、世界遺産や歴史的名所、雄大な自然など全15エリア。函館/松島/日光東照宮/鎌倉/黒部ダム/白川郷/富士山/清水寺/姫路城/法隆寺/しまなみ海道/嚴島神社/阿蘇山/屋久島/首里城です。
たとえば「函館」のページでは、五稜郭や金森赤レンガ倉庫、函館山といった主要な観光スポットが1枚のイラストに収まっています。それぞれの位置関係がパッとひと目で分かり、その土地の全体像を掴むのに最適です。まだ行ったことのない場所なら、事前に全体像が頭に入ることで、現地での移動がより立体的にイメージしやすくなるでしょうし、訪れたことのある場所なら、「あ、このルートを歩いていたんだ!」と、旅の思い出を答え合わせするような楽しさが広がることでしょう。各ページの下部にある2〜4行ほどのコンパクトな解説はさくっと読める短さですが、その場所に興味を持つには十分な情報を教えてくれているので、「いつ、どんな経緯で作られたのか」という歴史のドラマや、地理、交通、建築への興味など、子どもたちの「もっと知りたい!」という探求心を刺激してくれることでしょう。
イラストを手がけられたのは、地図帳の鳥瞰図や復元図の第一線で活躍されている黒澤達矢さん。全体像を分かりやすくするために、縮尺を調整したり、各名所の見どころや観光名所などはデフォルメをするなどの工夫を凝らしているとのことですが、その緻密な描き込みに、子どもだけでなく大人も時間を忘れて見入ってしまいそうです。さらに、それぞれの名所が「最も美しい季節の表情」で描かれているのも見逃せないポイント。ぜひ親子で、机の上の日本一周旅行に出かけてみませんか。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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