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悩まされている人の妄想をとりのぞき,必要な人に売る商売をはじめたエフ博士。順調だったが思わぬ落とし穴が…。14編収録。

『星新一YAセレクション7』(理論社)。
表題作である「妄想銀行」をはじめとして、14篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。
今回とても面白かったのは「声」というミステリー仕立ての作品。
うまく脚色すれば60分ぐらいのドラマにもできるように思えます。
物語はこう。ひとりの青年が休養のために静かなホテルに泊まっている。ある夜、突然電話がなって「元気かい?」と声がする。青年はその声に聞き覚えがあることに気づく。何故なら、その声は自分の声なのだから。
そこから次から次へ、起こることがすべて自分の声で、次第に青年の精神は冒されていく。最後にこれが青年を陥れようとした同僚の企みであることが判明するが、実はこれがオチではない。
星さんはもうひとひねり、アッといわせるラストを用意している。
星さんのショートショートは確かに作品として短いのですが、それに色々な要素を加えるとしっかりとした中編もしくは長編にもなるものがあって、それゆえに作品としての深みもあるといえます。
「声」以外にも現代のマッチングアプリを先取りしたような「ナンバー・クラブ」など、この巻も面白い。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
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