
13歳の女の子翼が見つめる現在、過去、未来。老若男女、生者も死者も入り交じり、ひととひととのつながりの不思議さ、おもしろさが、みずみずしい筆致で描き出される。

中学生の女の子を主人公にした児童書という長編です。
早くに両親が死んでしまって、祖父母に育てられた翼ですが、その祖父母が離婚してしまって、今は女の二人暮らしです。
その翼が、訳の分からないカップルを家に上がらせてしまってから、ややこしい人間関係のホームドラマが展開します。
じいとばあの生き方も、腐れ縁となった海と極の気持ちも思い測れる年になってしまった自分ですが、中学生が読むとしたら、どのような受取り方をするのか興味のあるところです。
むしろ複雑な物語の中で、純粋な初恋こそが、かえってきらめいて感じられるのかも知れません。
すべての登場人物に感情移入できるとしたら、ちょっと怖い気がしました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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