「すいめん」 みんなの声

表紙の透明感のある写真に惹かれ、手に取りました。
空と海の境目の「すいめん」のいろんな姿を見せてくれる写真絵本です。海底など、海の中の写真絵本というのはたくさんありますが、水面の写真というのは珍しいなと思いました。
穏やかで美しい水面も、海の生き物にとっては巨大な壁にもなるというのが印象的です。
美しい海の写真たちですが、一方で、水面を漂うゴミもあります。美しい海を人間が壊していないか、きちんと考えないといけないなと思いました。

水中写真家、高久至さんの写真に惹かれてセレクト。
今回のテーマは水面ということで、空と海の境界線だからこその光景が素敵です。
まずは、この「境界線」という視点が新鮮でした。
くぐり抜けるという感覚も、なるほどです。
水面だからこその、生き物たちの営み。
やはりこんなアングルは貴重です。
流氷を下から撮影しているということは、撮影者は氷の海の中ですよ。
水面を体感できる文章も嬉しいです。
さりげなく、環境問題にも言及していますね。
小学校高学年くらいからでしょうか。

水上から、水中から、海と空の接点を見つめると、いろいろな不思議な世界があることを感じます。
自分のいる向こう側では、こんな世界があるのだと夢がひろがります。
さりげないけれど、いろんな発見のある写真絵本です。
そして、掲載されている風景が水面のごく一部だということを、改めて感じました。