北海道・旭川で生まれ育ち、動物園の飼育係も務めてたあべ弘士さんが、
身近なアイヌの人から聞き取ったエピソードが基になっているようですね。
アイヌのコタン(村)に生まれた少年は、
山の神である熊の赤ちゃん、キムルンと、
兄弟のように一緒に育てられるのですね。
でもやがて、イオマンテ(熊送り)に選ばれたキムルン。
神の国へ帰ってもらう、という儀式に、アイヌの人々の世界観を感じます。
少年が幼いことに配慮したのか、運命は時を与えます。
そして、成長した少年は、改めてキムルンと対峙するのです。
イオマンテの神髄に触れる読後感でした。
水鳥のフィナーレが、印象的です。
小学生くらいから、この世界観、体感してほしいです。