最後の実を見ると、たぶんリンゴの木ではないかなと思います。
その、一本の木の種から実をつける成熟した木になるまでの物語を描いているのですが、
特別大きな事件があるわけではなく、芽が出て少しずつ成長して、その間に自分の側を通り過ぎて行った鳥や虫、自分(木)に降りかかったちょっとした出来事を丁寧に描いてくれていました。
作家はスイス生まれの作家で、この作品でフランスの『科学の本』賞を受賞したと書いてありました。
淡々としたストーリーテん会ですが、こと細かに説明がない分、想像力が広がるのか、すごく幅のある作品に感じました。
科学の本といえば科学の本ですが、
私は子どもたちにもわかる哲学ともいえるかな?と、思いました。
じっくり物事を考えるのが好きな人、自然や自然の中で生きている動植物に興味のある人に、特にお薦めです。