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カラス笛を吹いた日」 パパの声

カラス笛を吹いた日 作:ロイス・ローリー
絵:バグラム・イバトゥーリン
訳:島 式子 島 玲子
出版社:BL出版 BL出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2010年11月
ISBN:9784776404330
評価スコア 4.33
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  • 親子が理解し合うことを考えさせられます

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    作者ロイス・ローリーの1945年の実話。
    最終ページにローリー・ロイスの写真があります。
    物語に登場するのと同じダボシャツを着ていますが、そこにこう書かれています。

    「この物語はすべて事実にもとづいています。
     これは1945年、わたしと父の間にほんとうにあった出来事です。
     親と子どもはおたがいを理解するために手さぐりで生きていくものです。
     それはだれでもそうです。
     ですから、この物語はわたしだけではなく、みんなのおはなしでもあるのです」
    この言葉は、今、単身赴任していて、子ども達と離れて暮らしている自分にとって心の琴線に触れるものでした。

    物語の時代背景は、1945年。
    父は、第二次世界大戦に出陣していたので、長い間、家を離れていました。
    そんなある日、父とロージーはカラス狩りに出かけます。
    多感な時代を離れ離れに長いこと暮らしたと言う事実は、厳然たるもので、狩りに行く途中の車中、食堂での食事、狩猟地までの徒歩の間、二人の間には、微妙な距離があるのです。

    そんなロージーの心情が痛いほど伝わってくる文面に、思わず惹きこまれてしまいました。
    カラス狩りでのロージーの役目は、カラス笛をふくこと。
    カラス笛に反応して集まったカラスを、父が発砲するというのが役割分担だったのですが、父は発砲することなく帰途につくのです。

    ロージーが銃を怖がっていたことを察知したからなのか、カラスに親しみを持って接したことを大切に思ったのか、様々な理由で発砲しなかったのだと思いますが、そんな父の気持ちをロージーは心から受けとめるのです。

    些細なことであっても、子どもにとってみれば、凄く大事なことって沢山あるはず。
    それに気づかないと、上辺だけの親子関係に終わってしまうのでしょう。

    この絵本は、間違いなく大人向けです。
    それも、母向けではなく、父向けの絵本であって、是非、世の父が噛み締めて読んで欲しいものだと思います。

    投稿日:2010/12/23

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    1
  • 素晴らしい父親像

    戦争で長い間不在だった父親と狩りに出かける少女の実話物語です。
    言葉がなくても父と娘が会話できているのが素晴らしいと思います。
    それだけ心が通い合っているのです。
    しかし、話の奥には大きな問題指摘があります。
    戦争を経験してきた父親は、戦争の怖さを感じなくなったことを娘に語ります。
    その父親が、「ハンター」として畑を荒らすカラスを退治しようというのです。
    カラスにも子育てのような事情があるのではないかと娘は思います。
    父親は、子育ての時期は終わって、もう子どもだとわからなくなっている時期だと諭します。
    父と娘の中に、「戦う者」と「戦いたくない者」の構図が浮かび上がります。
    娘は父親の大好きなのだけれど、「ハンター」としての父が少し怖いのです。

    丘でカラス笛を吹いてカラスと戯れる娘の姿は圧巻です。
    そして、その娘を見て父親は鉄砲を使いませんでした。
    娘の気持ちが判ったからです。
    解説的な文章を排して、心の微妙な揺れ動き、心のやり取りを表現しているので、見ている側も画面から呑みこまれてしまいます。
    透明感のある映像のような絵、人物描写がとてもリアルでソフトで、映画を見ているような感じになりました。
    父親にお薦めの1冊です。

    投稿日:2011/04/07

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