考考えると空恐ろしい物語です。
禁猟であったタンチョウヅルを誤って撃ち殺してしまい、罪を隠すために土に埋めた長吉の行為は、許されることではないのかも知れません。
それにしても、長吉の婚礼の日に、大皿を届けた女性の真意を想像すると、怨念の奥深さには身のすくむ思いです。
長吉と嫁から始まる係累の一人が亡くなるたびに、大皿の上に鶴が登場して、次第に増えていきます。
一族が全員途絶える一歩手前で、事態が急変しました。
大皿が床に落ちて割れたのです。
皿の鶴たちは羽ばたいて舞い上がり、皿は無地に戻りました。
最後に残った孫娘の春子は呪縛から解放されたのです。
祖先が護ってくれたのでしょうか。
長吉が殺めてしまった鶴が、成仏できたのでしょうか。
映画になりそうな童話です。
いもとようこさんの絵に、とても説得力を感じました。