日本画家である東山魁夷さんの作品を、いわさきちひろさんの息子である松本猛さんが物語風に構成、
文章を添えた作品。
あとがきにもありますが、東山魁夷さんの作品には、モーツァルトの影響があるとのこと。
ドイツやオーストリアの風景の絵が、ストンとストーリーに溶け込みます。
東山魁夷館の館長もされて、研究書もある松本猛さんだからこそ、
紡ぎだされるストーリーが素敵なハーモニーでした。
「ぼく」という主人公が、幻想的な森で出会った白い馬に導かれ、ヨーロッパの風景の中を旅し、
自分探しをするのです。
絵本ですが、大人向けの重厚な作品です。
東山魁夷ファンとしては、作品の一解釈として、興味深かったです。