2010年に新しく出た「ヘンゼルとグレーテル」です。
内容はほぼグリム童話の直訳と思える文章でした。
カトリー・ブラントの絵は、いかにもヨーロッパの貧しい国の子どもという感じがにじみ出ていて、印象的でした。
自分が子どもの初めて読んだ「ヘンゼルとグレーテル」はきらびやかで、美味しそうなカラフルなお菓子の家でしたが、
こちらの絵本では、それほど美味しそうには見えませんでした。
ただ、「食べるものがほとんどない」状態の子どもたちにとっては、ひどく美味しいものだったんでしょうね〜。
気になったのはこの絵本に登場する魔女は、優しそうな振りをしていて、実は「子どもを食べる悪い魔女」という設定にしては、ちっとも意地悪く見えないし、怖そうにも見えなかったのが残念でした。
絵本の全編を通して、バックのベースが黒。文章が白字で書かれているので、字が浮き立っていて、文章が多い割に、意外と読みやすかったです。
「ヘンゼルとグレーテル」は声に出して読むと結構長いので、
あまり低学年のお子さんに読んであげると、途中で飽きてしまうかもしれません。
読み語りなら、小学校の中学年以上にお薦めです。
ちなみにこの絵本のカトリーン・ブラントさんは、ドイツで絵本作家としてはとても有名な方のようです。
それから、もうひとつ。
この絵本の訳者は、最近知った素敵な絵本「お父さんの庭」を訳された方でした。あちらの絵本もとても素敵なので、まだ知らない方はぜひ、読んでください。、