大きな館からの目線で描かれた絵本です。
毎日盛大なパーティーが開かれるほど立派だった館。
ところが時代の流れと共に、衰退し、改築されてはいろんなことに
利用されていきます。終いには、火事に遭ってしまい・・・
最終的に、館が落ち着いたカタチとは??
建築設計の仕事の経験がある作者だけあって、建物の描写は細部まで
細かく描かれており、かなりの見応えがあります。
館の全貌をよく見てみると、立派なヒゲをたくわえた老紳士のような
表情が見てとれて、建物の気持ちを描写するに当たり、館を擬人化
したかったのかなと感じました。
最初に描かれた館より、最終ページの館の方が、優しくニッコリと
微笑んでいるように見えるのは私だけでしょうか。
建物を見る目が変わりそうな、素敵な一冊です。