黒井健さんが長期間かけて完成させた絵本は、今まで目にしてきた作品とは全く異なるものでした。
様々に塗ろく塗られた画用紙に気持ちを集中させるために、その他の描き込みと差異を置いているように思えました。
それほどに、ただただ黒く塗られた画用紙は強烈でした。
絵は人の心を映すといいます。
黒く塗りつぶされた1枚の絵だけを見たら、誰もが心配になるでしょう。
それをひたすら描き続ける少年に、私は、見当違いの予測をしてしまいました。
壮大な絵の完成で、この絵本は結実しました。
少年には、最初からこの壮大な構想があったのでしょうか。
そうすると、自分は部分だけをみてこの子を判断していたことになります。
絵本の最後に、協力者として小学校名が記載されています。
黒井さんが小学校を訪れながら、煮詰めていった作品です。
子どもたちの想像力は、大人の固定観念の上を行っているのだということも教えられたような気がします。