左右から進行する実験的な絵本です。
ミュージシャンでもあるFukaseの表現方法にも、とてもインパクトがあります。
大人しいメロディが、いきなり炸裂するような展開で、どちらから読んでも余韻があり過ぎです。
ブルーノという国の王さまは、どうして処刑されてしまったのでしょうか。
優しくて、国民思いの王様でした。
それは国民も知っていました。
王さまには政治力、決断力、行動力が足りなかったのです。
何事もなく平穏な時には、素晴らしいと思った王さまでしたが、大きな災害の中では無力でした。
国民たちは裏切られたと思ったのです。
王さまにも、自分のとった行動を、国民に理解させる技量が欠けていたのです。
こう書いてくると、いろんな現実に対して戒めのような気がしてきました。