親は無条件で子供を愛するものですが、そのありがたみを幼い時には理解できないものです。それどころか、反抗期を迎えるころには、親の存在が疎ましく思えたりもするもの。
そんな親子の関係を、イタチのお母さんとオオカミの息子という設定で、見事に表してくれている作品です。
お母さんイタチの愛情も、息子 グーの気持も、両方とも理解できるだけに、切なくなります。
きむらゆういちさんの他作品「あらしのよるに」ではヤギとオオカミ、この作品ではイタチとオオカミ・・・、異色の組み合わせが逆に、人の世の出来事に重なってくるのは不思議です。
小さなお子さんから小中学校まで、幅広く読み聞かせに使用できると思いますが、一番感動してくれるのは多分、現在育児中のお母さんたちではないかなぁ・・なんて思いました。