海鳥とアザラシが人と共存しているピーターの浜辺。
その浜辺が座礁したタンカーから流出した石油で汚染されてしまいます。
その様子を淡々と描いた作品です。
最後には、海鳥にもアザラシにも以前のような生活が戻りました。
しかし、座礁したタンカーの残骸はそのままです。
決して環境破壊を訴えるような叫びはありません。
この絵本を見て、実際にタンカーの座礁、油田火災、さまざまな事件や災害で汚染されていく海を思い起こしました。
ラストは作者の願いでしょう。
サリー・グリンドレーの自然に対する思いやり、マイケル・フォアマンの社会に対する問題意識が結実した作品です。