どちらかというと幼児向けの絵本を手がけているのぶみさんが、神風特攻隊を語ることに意外さと必然さを感じ取りました。
戦後生まれの親から生まれた著者から見れば、戦争は祖父母世代の出来事なのですね。
原爆のように、強烈に印象づけられた歴史事実とは別に、歴史に埋もれていく過去は、何かのきっかけがないと、掘り起こせないものかも知れません。
世代ごとに薄れていく戦争経験を、次世代の子どもたちに伝えるという立場で著者は自分なりに、若くして命を未来のためにささげた人生に向き合ったのだと思います。
それは他人事として傍観ばかりしてはいられない、世界情勢への危機感からかもしれません。
子どもたちと向き合う、自身の足元を掘り下げていく先にある重い過去との直面かもしれません。
真摯に、一直線に、絵本を作り続ける著書に共感しました。