森永卓郎さんが遺した唯一の絵本だそうです。
心情的には、ペンギンさんが好意をもって行っていた無料奉仕で金もうけを考えるなんて、許すまじき悪徳ですが、経済の仕組みを考えるための刺激ということで、読み進むことにしました。
職業としての仕事を辞めたペンギンさんは、いろいろと食べ物を持ってきてくれる人たちへのお礼に、お手伝い券という1日クーポン券を配ることにしました。
家具を作る職人さんだったペンギンさんの仕事ぶりは、丁寧で評判になりました。
そして、ペンギンさんの知らないところで、クーポン券は1000円で買い集められ、3000円で売られるようになります。
よほどペンギンさんの腕が良かったのでしょう。
クーポン券はどんどん値上がりして売買されるようになりました。
1時間労働券として分割され、しまいには金儲けのための投資物件になります。
1時間クーポン券が1億円にまで高値を付けたところには、森永さんの痛烈な皮肉を感じるのですが、ペンギンさんが身体を壊して奉仕活動を止めてしまった時、クーポン券はただのゴミになってしまいました。
金儲けを企んだ人たちはどうなったでしょう。
働き過ぎで体調を崩したペンギンさんは、元気を取り戻しましたが、もうお手伝いは止めて、のんびり暮らすことにしました。
ペンギンさんに責任はないですね。
この本の裏を見ると、「かんたんにもうける方法はない?」とありました。
森永さんは、これが言いたかったのですね。