ぼく、弟のハリー、パパ、ママが動物園に行きます。これは、ある一家の動物園でのお話。1993年英国ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品が10年後に日本語で登場しました。帯には「圧倒的な描写力で描かれるシュールでおかしな家族の一日」。とくにパパの受けないダジャレが悲しくおかしく、私は笑ってしまいました。息子は男の子が二人登場することと、イラストがお気に入りのようで喜んでいました。「はなせよ」「おまえこそ、はなせ」なんて言いながら、取っ組み合いのように兄弟がじゃれるところなど、今の息子(3年生)そのもの。いたるところに小学生の男の子らしい描写があって、わたしは愛しくなってしまいます。パパ、ママの描写も愉快。こういう家族、本当にいそうだから、実際に動物園で出会ったら思い出してクスッと笑ってしまうかも。
ただ、5つ星にしたけれど注文したかった点がひとつ。子どもの本だからと言って全部ひらがな表記にするのは、作品のイメージをくずすことにつながります。内容や対象に合わせて本文に漢字が使用されていたら、本作品はもっと生きるはず。息子に「ぼく」と「弟のハリー」の年齢をイラストから推測させたところ「ぼく」は3−4年生、「弟のハリー」は1−2年生とのこと。小さな子ども対象というよりは、大人受けしそうな場面があったりして、ひらがなだけではページから受けるメッセージがピリッと伝わらず残念です。こういう作品はたとえ難しい言葉でも漢字を使う方が印象に残ると思うんですが。