小学校中学年くらいから、ぜひ読んでほしい読み物です。
小学生のなっちゃんは夏休み、おじいちゃんの家で不思議な体験をします。
お盆に、親戚が集まり、ご先祖様を供養する「盆まねき」の行事。
なっちゃんは、おじいちゃんやおばちゃん、大ばあちゃんなどから、不思議なお話を聞き、
自分自身も、不思議な体験をするのです。
お話は「ホラ」であることはわかっていても、
どこか真実味を帯びて、なっちゃんの前に体験として立ち上ります。
幻想的な月の田んぼ、カッパのエピソード、サンゴの玉・・・。
様々なエピソードが溶け合い、ついには、亡くなったおじさんへの思いに行き着きます。
最終章では、「もうひとつの物語」として、作者自身のおじさんの実話が収められています。
作者自身が体験した様々なエピソードが、なっちゃんという少女を通して
程よく物語となっていて、引き込まれます。
そして、戦死したおじさんの姿へと行き着きます。
お盆の意味をそっと教えてくれます。
大人も子どもも、ぜひ読んでほしいです。