どうしてクモは巣を作るんだろう?
雨上がりに水滴できらめくクモの巣、なぜこんなきれいな形をしているんだろう?
正直言って、考えたこともありませんでした。
クモの巣を見かければ鬱陶しいなと思い、部屋の中にあったりすれば間違いなくティッシュで丸ごと取り捨ててしまう、私の場合はそんな感じです。
この本を読むまで・・・は。
クモの巣のことを、クモの専門家は「クモの網」というそうです。
なぜなら、巣はえさになる虫をつかまえるための虫取り網の役割をしているから。
種類が違えば狙う虫も違う、そして獲り方も違う。
クモは自分のねらう獲物に合わせ、その巣を巧みに作りこんでいるんです。
たとえばその名の通り、足から垂れ下がる一本の糸を振り回して獲物をしとめる「ナゲナワグモ」。
なんとこのナゲナワグモの巣は・・・この投げなわ一本。
大きな巣をはって虫がかかるのを待つ網のような巣のほうが確立は高そうですが、実はこのクモ、一本でも確実に虫をしとめるひみつ兵器を持っていて・・・!
今まで、あまり興味は持てなかったクモ。
でもその巣をじぃっと観察をしてみると、静かにそして強かに自然の中に息づく彼らの生きる知恵と工夫が垣間見えてきます。
そうすると、不思議です。いままで目障りに感じていたクモを見る目が、変わってきたりして。
今、こうしてみどころを書きながら、机の上を横切る一匹のクモ。
この図鑑を読んだ後の私は、これまでのようにすかさずティッシュをつかんだりはしませんよ。
さてこのクモ、一体どんな巣に帰るのか・・・その動向を見守っているところですから!
(竹原雅子 まなびナビ編集部)
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