今日は、みいちゃんとゆうたくんがおばあちゃんちの庭をはじめて探検する日。
長ぐつをはいて、お弁当を持って。
「いってきまーす!」げんきよくドアをあけたのは、ゆうたくん。
「いってきます」ちょっと心配そうにふりかえって言ったのは、みいちゃんです。
目の前に広がっているのは、朝露をまとったきれいな庭。
「チョウチョさん なにをしているの?」
ふわふわっと飛んでいるチョウチョをうっとり眺めているのはみいちゃん。
「どこに たまごをもっていくの?」
石をどけて見つけたアリを、嬉しそうに観察しているのはゆうたくん。
さらにみいちゃんが見つけたのは、おひさまをあびてきらきら光るクモの糸、ひなたぼっこをするスズメの子、色んな形に姿を変える雲も。「ピヨー、ピヨヨ〜」どこからか、ひなどりの声が聞こえてきたので、そっとしゃがんで目を閉じます。
一方ゆうたくんが見つけたのは?アオムシ、キノコ、みずくさ、そしてちょろちょろ動き回るオタマジャクシ。長ぐつで水たまりに足をつっこむと、不思議な音がすることも発見! 「ぶお〜、しゅお〜」へいによじのぼって見えたのは遠くを走る電車。
目を輝かせた姉と弟ふたりの発見の数々、でも少し感じ方が違うみたいですよね。
みいちゃんは、繊細な感覚で「感じる」世界を味わっていきます。
やんちゃなゆうたくんは、「見たまま」の世界にごうかいに関わっていきます。
読んでいる子どもたちは、どちらの世界に注目をするのでしょう。
気に入った方の絵と文を、もう一度追いかけてみれば、さらに臨場感たっぷりに絵本の世界を味わえるかもしれません。
さて、みいちゃんとゆうたくんはお弁当を食べ、うとうとしたり、木に登ったり。古い小屋の中では、雨のにおいも発見して。存分に楽しんで帰ってきたふたりが、おばあちゃんとおかあさんに話した内容はなんだったのでしょうね。
3歳くらいのこの時期にさまざまな感覚や刺激に触れて脳を活性化されることで、情緒や思考がより豊かになっていくのだそうです。見て、聞いて、感じて、想像して、子どもたちの脳は育っていきます。そうやってキレない心を育てようと作られた「いまじん」シリーズ第2弾がこの絵本です。
好奇心から始まる驚きと発見の物語、ぜひ親子一緒にゆっくりと読んでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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