「チョコレートって なにかしら?」
マヤが博物館で見ているのは、大昔の「ほん」に描かれている、色んな形のチョコレート。家に帰ってパパやママに聞いても、二人ともよく知りません。1000年後の未来には、世の中からチョコレートがなくなっていたのです。どうしても食べてみたくなったマヤは、チョコレートを探す旅に出ます。そこで出会ったのは、思いもよらない大きな実で……。
表紙の絵の中で、ちょっぴり不思議な服を着た青い髪の女の子が、手に持っているのは、見るからに美味しそうな板チョコレート。今最も注目される絵本作家/美術家ユニットであるザ・キャビンカンパニーが新しく手がけたのは豊かな色彩と壮大なスケールで描くSFの世界!? 1000年後の食事や、街の様子、ジャングルのような木々に覆われた地球。その風景に驚かされながら、何よりショックを受けるのは、私たちの大好きなチョコレートがなくなっているという設定です。
けれど考えてみれば、今を生きる私たちだって、この甘くとろけるチョコレートがどうやって出来上がっていくのがよく知らないのです。
「チョコレートって、何で できているか しってる?」
未来の少女マヤと一緒にチョコレートの秘密を探る冒険をしながら、改めてこの魅力的な食べ物がなくなってしまわないようにと願うばかりです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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