マックスは「ぼく」のねこ。ぼくは保護猫シェルターでマックスと出会い、一目で気に入って、家族に迎えいれました。
でも、マックスはぼくの家族をイライラさせる、あきれさせてしまうほどのへそまがりっぷり。とうとうママがシェルターの人を呼んでしまいます。慌てたぼくは、マックスを飼うときに約束した「毎日20分は本を読むこと」を実行し、なんとかその場を取りつくろおうとします。本を読むぼくの声にマックスはじっと耳をかたむけ、そしてついに……。
作者のソフィー・ブラッコールさんによると、アメリカのある動物保護施設には、子どもたちが猫を相手に音読の練習をするという取り組みがあるそうです。練習相手になった猫たちは、次第におだやかで社交的になっていったとか。そして、子どもと猫の間に友情が生まれて、猫が引き取られていくケースもあったそうです。
『へそまがりねこマックス』を読み終えた私の息子は、1歳になったばかりの猫を抱えると、キラキラした目で自室へと消えていきました。しばらくすると、息子の本を読む声が聞こえてきました。そしてさらにしばらくすると、猫が「出して!」と言わんばかりにドアを爪でカリカリする音が……。そう簡単にマックスのようにはいかないみたいです。
マックスほどではなくても、大なり小なり不可解なところのある生物、猫。猫と暮らしたがる人間もまた不可解な生物なのかもしれません。そんな猫と人間が、末永く一緒に暮らせますようにと願わずにはいられない絵本です。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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