「一寸法師」は、室町時代につくられた短編集『御伽草子』の中のひとつで、誰もが知っている昔話だ。ひとりの卑しい身分の男が出世していくという、めでたい話である。しかし、この男、生まれた時から背の丈が一寸(約3センチ)しかない。思案のすえ、京の都に行ってみようと考える。都は夢が叶うところ、期待に胸ふくらませ、旅立つ。一寸法師とはある語に添えて「人」の意をあらわす言葉で、彼のことを「一寸法師」と呼んだ。このような小さ子物語は、国内外に多数のこされているが、彼らの活躍ぶりは、目をみはる見事なものである。そして、この話の中で重要な役目を持っているのが、打 出の小槌。どんな望みをも、全て叶えてくれる魔法の小 槌に、一寸法師はなにを願うのか...。
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