今日から新しいようちえん。だけど「とげとげウサギの子」は、ようちえんが面白くない。ようちえんに行きたくない。
「やあ!」
クマせんせいは、とても大きい。声も大きい。力もつよすぎる。そして……ぼくのつくった粘土のゾウをほめてくれた! にんじんキャンディもくれた。ぼくは、ようちえんが楽しい。せんせいとけっこんしたい!!
主人公の赤い「とげとげウサギの子」がとにかく可愛いこの作品、韓国の人気絵本作家アンニョル・タルさんによる大ヒット作品です。いつも不機嫌な顔をして、カリカリと怒ったり泣いたり大忙し。そんな彼が恋をしてしまうのが、たくましくて力の強いクマせんせい。その大きさの違いといったら……なんて魅力的な組み合わせなのでしょう。
と言っても、絵本の中で繰り広げられるのは、ごく普通のようちえんの日常生活。園庭で遊び、みんなでたいそうをし、「にんじんソング」(韓国の有名な童謡)をうたっておさんぽに行く。子どもたちはのびのび自由に動き回り、クマせんせいはいつでも彼らに目をくばる。その中で、とげとげウサギの子は、自分の感情を素直にまき散らしながら、少しずつ成長していくのです。どのページからもにぎやかな声が聞こえてくるようで、何度読んでも飽きることはありません。
日本ではひこ・田中さんの翻訳で登場です。日本でもあっという間にファンが増えてしまいそうですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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おおきくなったら、せんせいと けっこんしたい!
【韓国の人気絵本作家アンニョン・タルさん(『すいかのプール』訳:斎藤真理子、岩波書店)の大ヒット作、待望の日本語訳で刊行!!】
幼稚園が嫌いだった「とげとげウサギの子」が、ある日「クマ先生」にプロポーズをした?! アンニョン・タルさんが描く、可愛らしくて、ちょっぴり心がちくりとする恋のお話です。
本作の重要なモチーフである「にんじんソング」は韓国では誰もが知る有名な童謡で、主人公が先生への想いを歌詞に重ねて歌う姿は、とても愛らしく、読んでいるだけで幸せな気持ちになります。
翻訳は、児童文学作家で評論家としても活躍するひこ・田中さん(『ごめん』福音館書店、など)が担当。すべてがみずみずしく、新鮮だった子どもの頃の感覚が、見事に日本語で表現されています。
また絵本作家、イラストレーターの北村人さん(『カシャッ!』ポプラ社、など)による、作品世界に自然に寄り添った書き文字にも注目です。
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