いちごちゃん
- 作:
- ひろかわ さえこ
- 出版社:
- 偕成社
絵本紹介
2023.03.09
赤くて、甘酸っぱくて、ケーキに乗っているとテンションが上がるくだもの、いちご。いちごの旬は11月〜5月ということで、3月の今は、まさに最盛期を迎えるくだものと言えるのではないでしょうか。絵本の中にもかわいくてまっ赤ないちごが登場する作品がたくさんあります。
今回はその中から絵本・児童書出版社さんおすすめの4作品をご紹介します。手に取ればきっといちごの爽やかな香りとジューシーな甘酸っぱさに包まれるかも?
みどころ
ひろかわさえこさんの人気作『ぷちとまとちゃん』『じゃがいもちゃん』『おまめちゃん』の「ちいさなやさいえほん」シリーズにつづき、「ちいさなくだものえほん」シリーズの誕生です。
みんながだいすき、真っ赤ないちご、いちごちゃん。
おいで、おいで。
合図で集まってきましたよ。
ならんで、ならんで。
とことことことこ。
どこへ行くのかしら?
とことこまわるいちごちゃん。
くるくる、くるくるり。
輪になって、手をないでぐるぐる回りだします。
そして「ぷちぷちぷち」とへたがとれたら、
その次は!?
くるりん……ぽん!
出現したいちごちゃんたちの場面に、子どもたちがにっこりすることまちがいなし。
逆さになったいちごちゃんたちのうれしそうな顔といったら。
だれもが笑顔になる、「あれ」が待っていますよ。
いちごちゃん、やったね!
あかちゃんのファーストブックにぴったり。
ミニサイズのボードブックは、安心して何度でもめくる楽しみが味わえます。
いちごが、「ぽん!」となる場面、何度でも楽しんでくださいね。
同時発売の『みかんちゃん』『ばななちゃん』もあわせてどうぞ。
この書籍を作った人
北海道小樽市生まれ。武蔵野美術大学商業デザイン科卒業。主な作品に、「ぷくちゃんえほん」シリーズ、『いちにのさんぽ』、『あめぽったん』(すべて、アリス館)、「やさいむら」シリーズ、『ぞろりぞろりとやさいがね』(ともに偕成社)、「かばくん・くらしのえほん」シリーズ(あかね書房)などがある。日本児童出版美術家連盟会員。
この書籍を作った人
1924年福岡県生まれ。文化学院文学部卒業。詩人・児童文学者。少女時代を樺太(今のサハリン)ですごす。日本児童文学者協会賞、日本童謡賞、路傍の石文学賞、モービル児童文化大賞などを受賞。作品に、代表作「ちびっこカムのぼうけん」(理論社)ほか「あひるのバーバちゃん」「はけたよはけたよ」(以上偕成社)「くまの子ウーフ」(ポプラ社)「ふらいぱんじいさん」(あかね書房)「くまのまこちゃん」(のら書店)など作品多数。
この書籍を作った人
1915年広島県生まれ。「どんくまさんシリーズ」(至光社刊)、「おかえりくまくん」(佼成出版社刊)、「ごろりんごろんごろろろろ」(ひさかたチャイルド刊)などの作品がある。小学館絵画賞受賞。
みどころ
おいしいもりにやってきた、いちごの女の子、いちごちゃん。
つやつやで、赤くて、ちいさくて、なんてかわいらしいんでしょう。
くだものとやさいたちのドッジボールにまぜてもらいましたが、
投げるのも、よけるのも、うまくできません。
だけど、一生懸命なところに男の子たちはメロメロ!
「いちごちゃんって かわいいな〜〜♡」
おや、木陰からも誰かがじっといちごちゃんを見ています。
それは、アオラー、アカラー、クロラーのカビラ―3兄弟。
歌っているのは怖い歌。
「かわいい いちごちゃん おいしそう やわらかいから カビやすそう♪」ですって!
いちごの形に変身したカビラ―たちは、いちごちゃんに近づいて……
きゃー!いちごちゃんが大変!
不穏な気配にいち早く気づいたのは、シリーズ1作目の主役、やくみレンジャーのメンバー・頼もしいレモンちゃんです。
そして、わさびあにき、しょうがにいさん、とうがらしやろう、かぼすねえ、ゆずねえ。レンジャーが揃えば、もう安心!
さとうめぐみさんが描く、かわいさ満点、親しみやすくて個性的なキャラクターたち。
必殺技もかっこいい、やくみレンジャーの大活躍は、今作でも見逃せません。
ラストのいちごちゃんの意外な一面は、おはなしを読んでのお楽しみ!
カビは食べ物の敵なこと、薬味には食品を守るパワーがあること。
おはなしを楽しみながら、栄養やおいしさだけでない食べ物の大事なことが、小さい子から学べるシリーズです。
おうちで身近な食べ物がたくさん登場するので、「絵本に出てきたね」と話せたら、食事の時間やお手伝い、お買い物で、親子のおしゃべりが盛り上がりそうですね。
食べることが好きな子も、かわいいキャラクターが好きな子も、戦隊ヒーロー(ヒロイン)が好きな子にもおすすめ、男女問わず楽しめる一冊です。
この書籍を作った人
東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修了。動物をモチーフに、日本画表現による発表と絵本創作を続けている。おもな作品に、「さとうめぐみ あまいスイーツえほん」シリーズ、「くものこ くー」シリーズ(ともに、教育画劇)、「まじょ」シリーズハッピーオウル社)、「おいしいもり」シリーズ(PHP研究所)などがある。『まじょのほうき』(ハッピーオウル社)で第4回ようちえん絵本大賞受賞、『おべんとう』(ひかりのくに)で第9回MOE絵本屋さん大賞2016パパママ賞受賞。
みどころ
スイカにブドウ、モモやキウイも! みんななかよし、フルーツふれんず!
ちっちゃくたって、悩みはおおきい。フルーツの世界も、甘くない!
こんどの主人公は、かわいいクラスの人気者イチゴちゃん。ところがみんな、なぜかイチゴちゃんによそよそしい?
「イチゴちゃん。わるい うわさが、立ってるよ」
イチゴちゃんといっしょにいると、悪いことが起こる。スターくんの話では、そんなうわさが立っているといいます。
「わたし、わるいことなんて、してないよ」
しかしクラスでは、イチゴちゃんがいじめられている、というさわぎにまで発展!
「わたし、いじめられてるの?」
先生に何があったのかたずねられた、イチゴちゃん。
「されてるような、気もするし。
されてないような、気もする。
どっちにしても、されてるとか、こたえたら、とんでもないことになりそう。」
そう考えて、何もなかったと答えます。
「わたしが、いじめられてるって、おもったら、もう、もとの なかよしに、もどれなくなりそう」
いじめられてるかどうか、はっきりとはわからない。いやな感じはするけど、みんなのことは大好き。イチゴちゃんは思い悩みます。
そんななか、イガグリくんとスターくんが、イチゴちゃんのうわさをなかったことにするための、あるアイデアを思いついて??
フルーツの子どもたちが、リアルで等身大の悩みを抱えながら成長していく、「フルーツふれんず」シリーズ3作目!
いじめ? おふざけ? それともただの、すれちがい? どうするのが正解なんだろう……。きっと、答えはいろいろ。
おとなでも答えを出すのはむずかしいけど、子どもの世界にだって当たり前にある、そんな悩みをあつかった一冊です。
この書籍を作った人
三重県生まれ。『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で第37回日本児童文学者協会新人賞、『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)で第17回ひろすけ童話賞を受賞。主な作品に『だいすきひゃっかい』「かめきち」シリーズ(共に岩崎書店)、「ももいろ荘の福子さん」シリーズ(ポプラ社)、『ならくんとかまくらくん』(文研出版)、『ランドセルのなつやすみ』(PHP研究所)、『みんなのきもち』(学習研究社)、「なにわのでっちこまめどん」シリーズ(佼成出版社)など多数ある。