100にんのサンタクロース
- 作:
- 谷口 智則
- 出版社:
- 文溪堂
絵本紹介
2021.12.02
2021年もいよいよ暮れようとしています。クリスマス、お正月とビッグイベントが続くいま、読みたい絵本を集めました。朝日新聞社の本の情報サイト「好書好日」の記事よりご紹介します。(文:好書好日編集部)
おおきいサンタとちいさいサンタをリーダーに、たしざんサンタやえかきサンタ、だいくサンタにちずサンタ……クリスマスに向けてせっせと準備するサンタさんたちが、なんと100人も! 谷口智則さんの絵本『100にんのサンタクロース』(文溪堂)には、個性豊かなサンタクロースたちが次々登場します。「子どもたちがそれぞれ思い描くサンタ像って、一人ひとり違うと思うんですよ」と谷口さん。読者の予想をあえて外していく展開も見どころです。
これまで読んできたサンタクロースの絵本だったら、きっと「プレゼントを配るところ」がメインで、サンタが屋根に登る場面や、子どもたちの枕元にプレゼントを置いている場面が描かれると思うのですが、そういうシーンはあえてカットしました。サンタさんが煙突から入ってくる絵を描いたとしても、「うちはマンションやし、煙突ないもん」って感じる子もいると思ったんですよね。それなら、それぞれの想像に任せたほうがいい。 (谷口智則さんのインタビューより)
この書籍を作った人
1978年大阪府生まれ。金沢美術工芸大学日本画専攻卒業。20歳の時にボローニャ国際絵本原画展を見て、独学で絵本を作りはじめる。絵本「サルくんとお月さま」で絵本作家としてデビューしたのち、フランスの出版社Le petit lezard社より絵本「CACHE CACHE」をはじめ、日本だけでなくフランスやイタリアなどで数々の絵本を出版。以降絵本の世界にとどまらず、テレビ、雑誌、企業広告、商品パッケージ、店舗デザインなどあらゆるメディアで活躍の場を広げる。今後の活躍が最も期待されつつある、日本人絵本作家の1人。読んだ人が絵本の世界に入り込め、登場人物の想いや言葉が空間に浮かんでくるような絵本作りを心がけ、たとえ言葉が通じなくても、子どもから大人まで世界中の人びとに想いと感動が伝わるような絵本作りを目指している。
クリスマスイブの朝、主人公の「ぼく」が縁の下で見つけたのは、サンタクロースの「今」をのぞき見ることができる不思議な箱。斉藤俊行さんが絵を手がけた『クリスマスの ふしぎなはこ』(福音館書店)には、ページをめくるたびにサンタクロースがどんどん「ぼくのまち」へと近づいてくる様子が描かれます。「サンタさん、もうしゅっぱつしたかなあ」。待ちわびる「ぼく」の様子もまた、ほほえましい一冊です。
クリスマスのワクワクだけじゃなくて、子どもが箱の存在を大人に秘密にしてる、もしかしたら、そこに子どもたちが共感するのかな。大人にはわからない、子どもだけに通じるワクワク感があるのかもしれませんね。 (斉藤俊行さんのインタビューより)
かわいい柴犬と三毛猫のコンビが、和の風習について楽しく教えてくれる絵本『しばわんこの和のこころ』(白泉社)。床の間って何? 畳のヘリはどうして踏んではいけないの? など、知っていそうで知らない知識や知恵をわかりやすく教えてくれる読み物絵本です。お正月を迎えるために必要な準備を確認するのにもぴったりです。
お正月のページを描いたときは、年老いていく両親のケアで、心配の絶えない時期でした。そんなとき、「年を取るということはおめでたい」と考える日本の習慣があることに行き当たりました。いまは年を取るというと、何かを失っていく意識がありますが、昔は大みそかの夜に年神が現れて、新しい年を取らせ、子孫を見守ると考えられてきました。辛いこともあるけれど、そういうものを含めて「恵み」を受け取るのが、年を取るということなんだと知って、救われた気持ちになりました。ここは、どうしても描きたかったところですね。 (川浦良枝さんのインタビューより)
この書籍を作った人
1963年、東京都生まれ。武蔵野美術大学短期大学卒業後、デザイナーとしてカレンダーや文房具などの制作を手がける。2000年よりMOEで「しばわんこの和のこころ」の連載をスタート。2002年、初めての絵本『しばわんこの和のこころ』(白泉社)を出版。新刊に『しばわんこの和の行事えほん』(白泉社)がある。
お正月休み、ひろくんとゆうちゃんは電車に乗っておじいさん、おばあさんのうちへ。大掃除のお手伝いをしたり、お餅つきをしたり、市場に買い物に出かけたり――。家族でお正月を迎える準備をする様子が描かれた、西村繁男さんの『もうすぐおしょうがつ』(福音館書店)は、年の瀬の気ぜわしさとワクワクする雰囲気が伝わってくる一冊。京都出身の担当編集の実家を取材して描いた、ご当地ならではの風景が見どころです。
出版社からの内容紹介
冬休み、おじいさん、おばあさんの家でお正月を迎える、ある家族のおはなしです。
久しぶりに訪れた、おじいさん、おばあさんの家で、家族はお正月を迎える準備を手伝います。まずは、ガラス磨きに、障子張り、大掃除と大忙しです。翌日はおじさん、おばさん、いとこもやってきて、みんなでお餅つきをします。つきたてのお餅のおいしいこと! 大晦日は、朝から市場へ買い出しにでかけます。お正月料理の材料や、お正月ならではのおもちゃも売っていて、市場は大賑わいです。家に帰ってからも、お餅をお供えしたり、しめかざりを飾ったり・・・・・・。終い湯に入ってからは、年越しそばを食べて、お寺におまいりに出かけます。
お正月を迎える前の、日本ならではの年末のせわしない様子、こまごまとした準備の様子、新しい年を心待ちにしている家族の様子が楽しく描かれた絵本です。絵本に書いてある文章以外のドラマもいっぱい。絵の隅々までじっくり見て、楽しんでもらいたい一冊です。
主人公がいて、話が進んでいくよりも、いろんな人、いろんなものを描きたい。人と話すのは得意じゃないんだけど、人に興味がある、その人がいる社会に興味があるのかな。ひとりだけそこにいるんじゃなくて、この人もいて、あの人もいて、どの人も大事。そこにあるモノも大事。ほんの一コマしか出てこないかもしれないけれど、その人らしさ、そのモノらしさを描きたいと思っています。 (西村繁男さんのインタビューより)
この書籍を作った人
1947年高知県高知市生まれ。中央大学商学部、セツモードセミナー卒業。主な作品に『おふろやさん』『やこうれっしゃ』『みんなであそぼう』『絵で見る日本の歴史』<絵本にっぽん大賞>『ぼくらの地図旅行』<絵本にっぽん大賞>『絵で読む広島の原爆』<産経児童出版文化賞>(福音館書店刊)、『がたごとがたごと』『にちよういち』<児童福祉文化賞>『はらっぱ』(童心社刊)、『ぶらぶらばあさん』シリーズ(小学館刊)、『トゲトゲぼうや』(金の星社刊)、『そんなことってある?』(サンリード刊)などの作品がある。
宝船に乗った七福神が、福を届けに船出する『どんぶら どんぶら 七福神』(こぐま社)。「ひとつ ひときわ えがおの 恵比寿さま」「ふたつ ふっくり ほっこり 大黒天」と、七福神が数え歌になって登場します。文を手がけたのは、広告業界で活躍するコピーライターのみきつきみさん。絵はサントリーのキャラクター「アンクル トリス」で知られるイラストレーターの故・柳原良平さんです。
調子がいいものを書きたい時には、決まって「鉄腕アトム」「ひょっこりひょうたん島」「狼少年ケン」の3曲が頭に鳴り響くので、それも参考になったのかなと思います。この絵本は、七福神に聞こえるように大きな声で読んでほしいですね。きっと、いいことがあると思いますよ。 (みきつきみさんのインタビューより)