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日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  『あかにんじゃ』はどこからやってきた?穂村弘さんインタビュー

武井武雄、初山滋にはまって、絵本を読み漁りました。

───穂村さんは、歌人であり、絵本の文章家としても活躍されていますが、もっと以前から「絵本好き」という印象が強くありました。

それはたぶん、『ぼくの宝物絵本』(白泉社)を出版したからだと思います。この本は絵本専門誌「MOE」で連載していた絵本紹介を載せたのですが、相当マニアックな絶版本ばかりを紹介するという、かなり玄人向けな作品になってしまったと思っています(苦笑)。

───たしかに、絵本ナビのレビューにも「そのセレクトは、はっきり言ってとてもマニアック。絵本を結構読んでいる方だと自負している私も、見たことがないものが多くて驚きました。」という感想が寄せられています。小さいころから絵本をよく読んでいたのですか?

いえいえ、絵本に興味を持ちはじめたのが20代の頃でした。その頃、平凡社から出ていた別冊太陽の「武井武雄特集」を手にして衝撃を受けたんです。それから、武井武雄はもちろん、初山滋、村山知義といった、明治から昭和に活躍した画家が好きになり、時間があれば古書店を巡って彼らの作品を集めました。

───そこから、絵本コレクターとしての道がスタートしたのですね。

ぼくが絵本にはまった当時、宇野亜喜良さんや長新太さんなど、逸脱したアナーキーな人たちがアートの世界のみならず絵本の中でも活躍していた時代でもありました。子どものために描かれた絵を「童画」と呼んでいた時代の画家から絵本に魅せられたぼくでしたが、すぐに彼らの作品にもはまっていきました。
でも、いくら古書店を巡って、掘り出し物を見つけても、どんどんどんどんお宝が出てくる。絵本ってすごいなって心から感心したんです。

───まさに、青春を絵本と短歌に捧げたんですね。

そうですね。結構夢中になりました。ぼくにとって絵本はとろけるようなメディア。見た瞬間、虜になれるようなすごさがあったんですね。初山茂や武井武雄の絶頂期のデフォルメは、本当にアバンギャルドで……。しかも、彼らと組んでいる作家は野口雨情や北原白秋のような国民的詩人です。
そう考えると、この本を手にすることのできた子どもは本当に裕福だったんだろうな……と当時に思いを馳せるひとときも楽しいんです。

───穂村さんは、宇野亜喜良さんや横尾忠則さんなど、20代の頃に憧れた作家さんとも作品を作られていますよね。

打ち合わせをしていても「あの、宇野亜喜良と打ち合わせをしている!」と何度も我に返っては、ドキドキしていました(笑)。
宇野さんは本当に格好良かったです。「宇野亜喜良」という名前一本で、すごくエロティックな媒体にも描き、ハイブローなものにも描き、子どもの本にも描き……。それでいて、打ち合わせでは、こちらを緊張させないよう、あたたかく振る舞ってくれるんです。ぼくらの時代で美術に興味を持った者にとって、宇野亜喜良は、半世紀以上変わらずにトップを走り続けている、憧れのクリエイターの一人ですからね。

───とても素敵な方なのですね。同年代の絵本作家さんで一緒に仕事をしてみたい人などはいますか?

木内達朗さんはもちろん、『まばたき』(白泉社)でご一緒した酒井駒子さん。そして今、絵本を一緒に作る予定のヒグチユウコさん……。ありがたいことに『あかにんじゃ』を出版してから、絵本の文章家としても認めてもらえたようで、憧れの人とコラボレーションする夢がかなっています。それだけでも、うっとりしちゃいますね(笑)。

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