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『でんせつの いきものを さがせ! ネッシー・ツチノコ・カッパはどこだ?』田中六大さんインタビュー

探し絵本が大好きな子ども達にピッタリの新作絵本『でんせつの いきものを さがせ! ネッシー・ツチノコ・カッパはどこだ?』が発売されました。今回、探すのはネッシー、ツチノコなどの未確認生物(UMA)や、ドラゴンやユニコーンなどの伝説上の生き物。その数、全部で100体!ページごとに隠れUMAがいたり、裏エピソードが散りばめられていて、何十回、何百回と楽しめる絵本です。 作者の田中六大さんはデビュー作『だいくのたこ8さん』で絵本ナビにお越しいただいて以来、実に3年ぶりの再会です。3年の間にずいぶんと様変わりされたようで…(笑)。

初めての自作絵本『でんせつの いきものを さがせ!』発売!

───今日はよろしくお願いします。…まず最初に、今回のコスチュームについて、是非伺いたいのですが…。


3年間で随分変わられたお姿…?

これは、河童です!


───なぜ、河童?


今回、絵本の作家プロフィールのところに「作者は少しカッパに似ている」って書いてしまったので、今日はこれで行かせていただこうと思って…。
編集者のTさんにいろいろ用意してもらったんですけど、他の方がいいですか?



───いえいえ。とってもお似合いです(笑)。 新作『でんせつの いきものを さがせ!』、隅から隅まで楽しませていただきました。でも、全然見つからないUMAもいて、読むたびに新しい発見ができる絵本だなと思いました。今回、文章も絵もご自身の作品でUMA探す絵本を作ろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

でんせつの いきものを さがせ! ネッシー・ツチノコ・カッパはどこだ?
でんせつの いきものを さがせ! ネッシー・ツチノコ・カッパはどこだ?の試し読みができます!
作:田中 六大
出版社:講談社

ネッシー、ツチノコ、ユニコーン、ドラゴン……。世界中の不思議な生き物を探そう! 見れば見るほど面白い、新時代の探しもの絵本!

きっかけについては、「講談社絵本通信」の「作者からのメッセージ」にかなり忠実に再現されているんですが、担当してくれた編集のTさんがかなりのUMA好きだったからです(笑)。

編集T:もちろん、それもあるんですが、六大さんの絵の魅力を一番味わえるテーマはなんだろう…と考えたとき、探し絵本はどうだろう…と思い、話を持って行ったのが最初でした。ただ、普通の探し絵本ではつまらないので、今までにないもの、いるかいないかわからないものを探す絵本にしたら面白いと思ったんです。

「UMAとか伝説の生き物大好きなんでスカイフィッシュ。ひひひ。」
唐突に編集者Tが言いました。気持ち良く晴れた春の日でした。
「それだったら、UMA(未確認生物)を探せ! みたいな絵本ができたらいいですね!」と、ぼくもさわやかに言いました。そんな絵本ができたら確かに楽しいでしょう。数日後、編集者Tから電話が来ました。
「あ。六大さん。ひひひ。あれ、あの企画、通りましタッツェルヴルム。」
「あれってなんでしたっけ?」さわやかに訊くぼく。
「伝説の生き物を探せ! ですよ。がんばりましょウェンディゴ。ひひひ。」
「はい! がんばります!」
ぼくはさわやかに答えました。初めての自作絵本です。しかもぼくはごちゃごちゃ細かく描くのが好きなので、これは楽しい仕事になるだろう。そんな予感がしました。しかし細かい絵だけあって実際に描いていくのはなかなか大変でした。

───「作者からのメッセージ」にもあるように、1枚1枚とても細かくて、描いていくのが大変だったと思うのですが、原画を描くまでの進行はどのように進んでいったのですか?


参考資料もマニアックです…。



まず登場させるUMAを選ぶところから始めました。Tさんが参考用に買った分厚いUMAの専門書を手に、有名無名を問わず選びました。

───六大さんが特に気になったUMAはありましたか?

特別に好きというのはないですが、絵の参考に調べているとマニアックなUMAに詳しくなりましたね。専門書の中にも目撃者のコメントとか、イメージイラストなどが描かれているんですが、かなり微妙なものも多くて、ツッコミを入れながら読んだりするのが楽しかったです(笑)。

───会ってみたいUMAはいましたか?

会えるのなら全部のUMAに会ってみたいです。でも、今回描いたUMAの中には、かなり怖いものも多いんですよ。絵は怖くないように意識して描いたんですが、人間を襲うやつもいるんです。


イメージ図(左)と六大さんの描くフラットウッズ・モンスター(右)。かなり雰囲気が違います。

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田中 六大(たなかろくだい)

  • 1980年、東京都生まれ。多摩美術大学大学院修了。漫画家・イラストレーター。漫画に『クッキー缶の街めぐり』(青林工藝舎)、挿画に『ひらけ!なんきんまめ』(作・竹下文子/小峰書店)、「日曜日」シリーズ(作・村上しいこ/講談社)、『4月のおはなし ドキドキ新学期』(作・はやみねかおる/講談社)、絵本に『だいくのたこ8さん』(作・内田麟太郎/くもん出版)、『ねこやのみいちゃん』(作・竹下文子/アリス館)、『しょうがっこうへ いこう』(作・斉藤洋/講談社)、『おすしですし!』(作・林木林/あかね書房)、『ぼくは ねんちょうさん』(作・サトシン/小学館)など。作・絵ともにオリジナル作品に『でんせつの いきものを さがせ! ネッシー・ツチノコ・カッパはどこだ?』(講談社)がある。
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